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そして逃げてきた場所に見覚えがあった。
あ、あの大岩は……小さな佐久間さまが体を丸めて寝ていた場所だ。
「ほんと無茶だよ！ この面子ヤバいな！」
「まあまあ、阿部ちゃんそんな怒るなや」
「元々は康二さんがいけないんだよ。あーしてこうして、こうなったらこうだって、全く意味不明な作戦言うだけ言って鬼様と突っ込んで行ったんだかね」
「にゃはは！終わり良ければ全て良しだわ！」
「だーかーらっ、終わってねえんだよっ！」
「「阿部ちゃん怖っ！！」」
ひぃぃと似た者な二人は抱き合って、そんな二人をシャーッと威嚇する亮平さんと苦笑いしながら見守る少年。
うふふ、良かった。
皆無事で、そして戻って来られて。
微笑ましく四人の戯れを見ていたら、佐久間さまが振り返り私を見てふわりと微笑んだ。
そして私はそんな彼に両手を広げると、佐久間さまは「え？」と真ん丸な瞳を大きくしてる。
スタスタと傍により、自分よりも大きく逞しい体を力一杯抱き締めたら、びくりと固まり下から顔を覗き込めば、その瞳はユラユラと困惑に揺れていた。
「佐久間さま、よく頑張りましたね」
「え？」
「ずっと、ずっとおひとりで頑張ってきましたね」
「……知ってんの？ 佐久間のこと」
ニコッと笑えば、佐久間さまは苦笑いだ。
私が抱き締めていたのに、その手を難無く解かれ代わりに佐久間さまが私をギュッと抱き締める。
首にふわふわの髪が当たって擽ったい。
「……寂しさも、悲しみも、これからは私に半分わけてください。そして喜びは分け合って、未来を二人で見ましょう？」
「桃姫ちゃん、それって求婚？ うふふ、佐久間さんのお嫁さんになってくれんの？」
「え、……求婚？ あ、いえ、そんなっ私はただ貴方の傍に…」
急に恥ずかしくなって、逃げ場のない私は目の前の佐久間さまの胸に顔を埋めた。
ああ、恥ずかしい！
未来を二人で……なんて、そう捉えられても仕方ないことをよくスラスラ言えたもんだ。
でも気持ちに偽りはないけど。
ほんとに佐久間さまの全てを受け入れた上で傍に居たいと思ったから。
そこに鬼と人なんて関係ないとさえ思ったから。
「ふふ、でも求婚は男からするもんっしょ。だからね、今のは聞かなかったことにするでやんすよ」
「ううっ、」
それはそれで悲しいかも……なんて。
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Harumi(プロフ) - Twitterにて、フォロ申請させていただきました。承認して頂けると嬉しいです。 (2023年2月3日 12時) (
レス) @page47 id: b212bc44a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやかぽん。さん» あやかぽん。さま！ ありがとうございます(^^)ファンタジーの世界へようこそ！って大したものは書けてませんが。続編も公開してますので良かったら読んでやってください(^^) (2020年12月5日 21時) (レス) id: 86c2a4761a (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - 完結おめでとうございます！！新しい世界に連れて行ってもらった気持ちです(笑)とても素敵なお話しでした。もっかい最初から読もうっと(´∀`) (2020年12月5日 20時) (レス) id: b8552d059d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさま、ありがとうございます(^^)わーい！銀にぃに触れてもらえて「おお！」となりました（笑）不器用な彼がある意味、このお話を引き立ててくれたのでコメントに書いてくださり嬉しいです！続編も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2020年11月30日 9時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - acoさん» acoさま、ありがとうございます(^^)鬼退治終わってしまいましたが、続編ではまた彼ら暴れる予定ですので読んでもらえると嬉しいです！ほんとその通りですよね、佐久間くんは愛させるべき人なんですよ(o^^o) (2020年11月30日 9時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年11月11日 12時
