▼第六章 鬼と桃 ページ14
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長い、長い夢を見ていた。
目を覚ました私の頬は濡れていて、一度目と違い記憶は鮮明に残っている。
そうだったんだね。
佐久間さまはずっと孤独の中で生きてきて、鬼と人の間に生まれたのに人の感情を知らずに育った。
だけどあの少年がほんの少しきっかけを与えてくれて、そして今の佐久間さまに繋がったんだ。
まだ旅に出た後のことは分からないけど、それよりも今すぐ佐久間さまに会いたくて仕方ない。
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「で、あのぉ、これはどういう状況です？」
意識がハッキリしたら自分がとんでもない状況下に置かれていることを瞬時に察した。
いや察するしかない！
縄で後ろに腕を縛られグルグル巻きで、そしてぶっとい木に巻き付けられてて上から吊るされてる私。
下を見れば見た事もないデカい大釜の中でグツグツとお湯が煮えたぎってるじゃないのぉぉぉ！
「いやーー！ 私煮ても美味しくないっ！焼いても美味しくない！」
「あ、起きた？ 生で喰うのも良いかと思ったけど、全員で美味しく食べるには煮込むのが一番だろってな！」
前掛けした鬼がにかっと牙を剥き出して笑う。
バカ鬼ーーーー！！
「私で出汁をとろうとするな！！」
「なんだなんだ、騒がしいな」
「そんなに暴れるなんて、自ら落ちたいのかね？」
「いやああぁぁあ！！」
ぞろぞろ出てきた！
何人いるんだよ！
てか死にたくないから暴れてんの！！
でもギシッと鈍い音と、鬼の発言に我に返って大人しくした。
このまま暴れて縄が切れたら確かに自ら落ちることになるし。
てか、私はどれくらい寝てたの？
殴られた顔やお腹もまだ痛いし、そんなに時間は経っていないように思う。
下の方でぞろぞろ集まりだした鬼を他所に、周りを観察してみる。
冷静になれ。
どこかに逃げるヒントはないの？
私これでも一応ヒロインでしょ？
こんなとこで死んでたまるか！！
「何やってるの？」
「あ、銀次郎兄。なにってこの女を食べる支度を」
あ、銀髪……そういえば、夢でも出てきたなぁ。
「誰の許可を得たの？ こういうのは年功序列で食べるものでしょ？」
「い、いや、こいつは特別美味そうだから皆で分けよ、」
鬼の言葉を遮って銀次郎は髪を鷲掴むと、鋭い視線でその鬼を凄む。
一瞬にして凍りつく鬼たち。
ふうん、この鬼が強いとみた。
見た中で一番美形だしね。
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Harumi(プロフ) - Twitterにて、フォロ申請させていただきました。承認して頂けると嬉しいです。 (2023年2月3日 12時) (
レス) @page47 id: b212bc44a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやかぽん。さん» あやかぽん。さま！ ありがとうございます(^^)ファンタジーの世界へようこそ！って大したものは書けてませんが。続編も公開してますので良かったら読んでやってください(^^) (2020年12月5日 21時) (レス) id: 86c2a4761a (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - 完結おめでとうございます！！新しい世界に連れて行ってもらった気持ちです(笑)とても素敵なお話しでした。もっかい最初から読もうっと(´∀`) (2020年12月5日 20時) (レス) id: b8552d059d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさま、ありがとうございます(^^)わーい！銀にぃに触れてもらえて「おお！」となりました（笑）不器用な彼がある意味、このお話を引き立ててくれたのでコメントに書いてくださり嬉しいです！続編も楽しんでもらえるように頑張ります！ (2020年11月30日 9時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - acoさん» acoさま、ありがとうございます(^^)鬼退治終わってしまいましたが、続編ではまた彼ら暴れる予定ですので読んでもらえると嬉しいです！ほんとその通りですよね、佐久間くんは愛させるべき人なんですよ(o^^o) (2020年11月30日 9時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年11月11日 12時
