瞳に映る世界‡第三章‡

†46†　麻生さんの暖かさ ページ7

..........




車に乗って、指定された場所へ向かう。

麻生さんは理由は聞かず、黙って従ってくれた。
今思えば、何故麻生さんや会社の皆は私に着いてこれるのだろうか。

社長、と言う立場があったとしても、誰か一人私の考えに反対する者が居てもおかしくないと言うのに。


特に麻生さんと稲葉さん、そして専務の高橋さんは私をずっと支えてくれた。

まだ幼い女の子だからと言って受け入れてくれなかったものの、
私の望む女性と子供の優先社会に賛同してくれた。




「社長、着きました。」



「ありがとうございます。」



「私達社員にとって、社長は夢なのです。私達の望んだ世界を貴方は実現してくれた。.....例えそれが不幸を招く事になったとしても、.....私達は素晴らしい夢を見せてくれた社長に着いて行きます。」



「..........っ..........」




あのね麻生さん。私は麻生さんに支えられました。

だから、もう良いと思うんです。
触れられなかった、兄さんの優しさに。貴方は私をあの日抱き締めてくれた。

守ってばかりの私の心を溶かしてくれたのは貴方です。




「..........行ってきます。」



「行ってらっしゃい.....」




―――――



◇高橋美智子(たかはしみちこ)


ミカドファイナンス専務。
Aを慕っている。





◆麻生沙織の心情と、出会いの過去はまだ明かさず。




　

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