瞳に映る世界‡第三章‡

†57†　笑う影には復讐心を ページ18

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「A様。市民は完全にA様を信じておられますね。」



「当たり前でしょう。人間は極限状態まで追い詰められた時、差した光を自分のものだと信じて掴もうとする生き物ですから。
　…………………利用されているとも知らずにね。」



「臥炎キョウヤの件も、そうですよね？」



「勿論。私は彼とは違って欲望で動いたりなんてしない。世のため人のため。腐敗した世界に美しさを追求した結果ですもの。
　ところで、バディポリスが不穏な動きをしていると聞きましたが？」



「そのようですね。ですがご心配要りません。私共が払ったこの国への対価に比べれば、彼らの見ている苦しみなどまだまだ生温いものでしょう？」



「えぇ勿論。」




口元に手を添え上品に笑う影。それは正しく今この世界を自分の物にしているAの姿。彼女を慕う者達も、復讐心に囚われている一人だ。

高層ビルの最上階から見物してみれば、混乱している沢山の人間などただの人形に過ぎず、利用されている事に気付かないところを見ればほくそ笑みが漏れる。




「さぁよく見ておくと良いですよ？貴方が否定した私の、闇の力を、……………ね？



　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿天野鈴鈴羽。」




((生まれながらにして上に立つ者には、
下に立つ者の苦しみは分からないでしょう？))




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