瞳に映る世界‡第三章‡

†50†　興味あり ページ11

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「あー、今からそっちに向かう。ヘリまわしてくれ。」



『分かったよ。ホンット人使い荒いんだから。ハルカと違って。』



「笑夢姉はもっとおしとやかになれば?」




『何よそれっっ!!』と言う声を聞いて「はいはい、わーったから。」と適当に答える。

笑夢姉に電話して、ヘリをまわしてもらうように要請したところだ。
１つ言おう。笑夢姉はお嬢様だ。

と言っても学校には通わない、引き籠りのようなものなのだが、英才教育のおかげで10歳で義務教育は終わらせている。


実際にはA姉の１つ上。と言っても中１だが。

子供っぽく、年下の俺と口論になる事は日常茶飯事だった。




「…じゃあ、頼むな。」




＿ピッ




「…ねぇ、」



「ん…?…てお前…」



「君、ハルカの弟、だよね?」



「そうだが。何か用なのか。」




このモンスターは。

ミルクティー色の髪をピンク色のリボンで２つに括っており、クリスタルのティアラを着けたお伽噺に出てきそうな外見だ。
いや、俺はこいつを見た事がある…?

本の中でしか見ない登場物だと言うのに、何なんだこの胸騒ぎ。




「ワタシも君の手伝いをさせてくれない。」



「は…?お前が?」



「そうだけど。」




そもそもこいつは何故俺が牙王の手伝いをしようとしている事を知っている?

もしかして笑夢姉のモンスターか、いや、ドラゴンＷにこんなモンスターは居ない。
先程から俺の顔は驚きが溢れていると言うのに、こいつの顔は一切顔色を変えない。

まるで人形。




「……着いてこい。」



「ワタシ、アリス。」



「俺は…羽鳥ハヤテ。」




こいつ、興味あり。




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