＃第二章…決意の末＃４ ページ12
＊＊＊
「びょ、病院内ではお静かに…!」
「ちょっとA!
どういう事なの!?!?」
「宮阪君…落ち着きたまえ。」
『ごめんなさい宮阪さん、神代社長…』
暫くして病室のドアが開くと、病院内に関わらず大声を出す宮阪と、それをとめている看護師と神代、と言う男性の姿があった。
「それでA君、モデルを辞めさせてほしいとはどういう意味だい?
宮阪君にも聞いたのだが、それが本音だとは思えなくてね…」
『…………っ!
私……、妊娠、したんです。』
「…………っ!?」
「ど、どういう事なの?
それで…モデルを辞めたいって?」
『…はい。
父親が誰かは分かってるんです。でも……、
彼に負担を掛けたくない。もう別れているので。
だけど…だけど…!!折角新しい命が、赤ちゃんが私を選んでくれたなら…
私はこの子を産みたい……っ!!!!』
声を震わせ、本音を語る。やはり怖い。自分の意志を伝えたとして、それが良いとされる保証は無いのだ。それは分かっているけど、命を無駄にしたくない、と言うのは本心だった。
拳を握りしめ、血が出るほど強く下唇を噛んだ。
「……らしいよ…!
素晴らしいよA君!!
やはり君はサラの娘だ。
優しいサラの最愛の娘だ…!!」
「しゃ、社長!?」
『社長……?』
「僕はサラに頼まれていたんだ。
いつか、A君がサラと同じように命を宿す決意をしたら、
精一杯、応援してやってほしいとね……。
それがサラの最期の言葉だったんだ。」
『…っお母さん…!』
「……良いだろう。全力で応援する。
マスコミにも伝えず、病院の警備を呼び掛けるようにしよう!!
後は君の気持ちの問題だ。」
ドアの横には、白衣姿の女性医師が二人立っていた。
『先生……。
私、この子を産みたいの。…いや、産まなきゃいけないの…っ!
お母さんの為にも、この子の為にも、私自身の為にも…!
だから、……お願いします。私を、お母さんにしてください。』
「…えぇ。分かりました。
私は産婦人科の村木虹海(むらきななみ)です。」
「私は外科医の水野希澄(みずのきすみ)です。
最悪の場合、帝王切開でメスをいれる事になります。
そうすれば恐らくモデルとして復帰する事は出来ないでしょう。
それでも良いんですね?」
『はい!お願いします!』
＊＊＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハルカ - 杏ちゃん、タスクと主人公たちが、幸せに暮らすお話になるように、頑張ってね(*^^*)応援してるよ(*^^*) (2015年5月5日 12時) (
レス) id: e020a9b5b3 (このIDを非表示/違反報告)
杏樹(プロフ) - セブンさん» ありがとーっっ!!!頑張るよ! (2015年5月4日 22時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
セブン - おおぅ怖ぇ…。空音怖ぇ…(・д・||)なんちゅー女だ……。おぉ怖い怖い。話ズレたけど、杏ちゃんガンバ!!!!!!応援しまくるにゃ!!ファイトーッ!!!!! (2015年5月4日 22時) (レス) id: 2b8c9a42df (このIDを非表示/違反報告)
杏樹(プロフ) - おんぷ♪さん» ありがとうございますっっ!!そう言われると嬉しいですっ!!! (2015年5月4日 21時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ♪(プロフ) - とても面白いです！続きが楽しみです！ (2015年5月4日 21時) (レス) id: 53b2ef5718 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天羽杏樹 | 作者ホームページ：http://uranai.
作成日時：2015年4月26日 10時
