雨音 ページ8
「......」
『......』
雨音と私の心拍数だけがやけに煩く聞こえる。
相合い傘ってこんなにも恥ずかしいものなのかと、考える。
上鳴くんが学校からずっと静かだから、体調が優れないのかな。何かと話さないと駅まで気まずいよね。
「Aちゃん、もう少しこっちに近寄ってくれない？」
先に沈黙を破ったのは上鳴くんだ。え？上鳴くんの方に近寄る、の？ただでさえお互いの肩が当たりそうなのに更に寄るってことはかなりの至近距離になる。嬉しいけど、恥ずかしさの方が勝る。
『え、あ......』
「Aちゃんも俺も風邪ひくことになるぞ」
私だけならまだしも、上鳴くんに風邪をひかせてしまうのは申し訳ない。
『っ失礼します......』
消え入りそうな声で独り言の様に呟く。上鳴くんは、んーと返事をしてくれた。
ほんのちょっと近寄っただけで、上鳴くんの息遣いや体温が感じられる。───なんだこれかなりめっちゃ照れるし恥ずかしいでも上鳴くんはそういういやらしい意味で"近寄って"って言ったんじゃないぞ自分。落ち着け。取り敢えず落ち着け。
「やっぱ雨降ると結構冷えるなー」
いつも通りの様子で言う上鳴くん。きっと気を遣ってくれたんだろう。私もちゃんと答えないと。
『そうですね。でも上鳴くんの場合は濡れてるから余計にですよ』
「だよな〜」
いつも通りの様子で返事出来たと思う。そうだよ、変に意識しちゃダメだ。
「そういやさ、言うの遅くなったけど勉強教えてくれてありがとな」
『......？』
「ほら、期末試験」
『ああ！』
いきなり何のことか分かんなかったけど、そう言われてやっと理解出来た。
「あん時、ほんとに助かったわ」
ニコニコと笑っている。かっわいいなあ。
その後は林間合宿が楽しみって話をしたり、夏休みが始まるから祭りに行きたいとか普通の高校生みたいな会話をした。
傘を閉じて駅の中に入る。さっきまでの温もりで遠くなった気がした。
「到着、と」
『わざわざありがとうございますっ！』
「いいってことよ。あ、傘要る？」
『大丈夫ですよ。鋭児郎が傘持って迎えに来ているみたいですから』
「......そっか。電車どんくらいで来んの？」
『あと、5分くらいです』
「そっか」
『はい。......雨やみませんね』
「だな......」
『今日はありがとうございました』
そう言って改札口に向かう。
「またな」
上鳴くん気付いたかな。
もう少し傍にいたいですっていう気持ちに。
車内で考えていたら駅に着いた。
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雛(プロフ) - 上鳴勇香さん» はじめまして(^ ^)そう言ってもらえると嬉しいです！これからも精進させていただきますね！ (2018年2月18日 17時) (
レス) id: b31a2b7c08 (このIDを非表示/違反報告)
上鳴勇香 - もうすごくキュンキュンして、やばいですもう上鳴がかわいくて最高です！応援しています！ (2018年2月9日 16時) (レス) id: df69819376 (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 麗愛さん» はじめまして(^^) 応援のお言葉を貰えて嬉しいです！これからも精進させていただきますね (2018年2月7日 0時) (レス) id: b31a2b7c08 (このIDを非表示/違反報告)
麗愛 - 上鳴君大好きです！更新がんばってくださいね！ (2017年12月25日 12時) (レス) id: 89d093ef08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛 | 作成日時：2017年9月28日 11時
