喧嘩 ページ22
.
『......』
「......」
『......』
「......っ」
やけに静かな私の部屋には蝉の声がやけに煩く響き渡る。
鋭児郎と正面向き合って早10分程経つ。
痺れを切らした鋭児郎が口を開ける。
「......なんで怒ってんだ？」
バツが悪そうに尋ねる。
私が怒ってる理由を分かないまま謝るのが嫌だったんだろう。
遡ること10分程前
「Aに呼ばれるって珍しいなー」
『そう？』
うん、と鋭児郎は返事して
私は冷たいウーロン茶を差し出す。
「サンキュ！ で、なんで俺を呼んだんだ？」
鋭児郎はウーロン茶をぐびっと1口飲んだ。
『私ね、鋭児郎に怒ってるの』
「......え？」
『心当たりない？』
「悪ぃけど分かんねえからちょっと待ってくれ」
『うん......』
そして冒頭に戻る。
「......なんで怒ってんだ？」
『やっぱり分からない？』
「......っ、悪ぃ。分かんねえ」
組んでた腕を顔の前で合わせる。
これは"自分で考えたけど分からなかったから教えてくれ"ってことを表しているんだろう。私は教えることにした。
『"神野区の悪夢"って覚えてる？』
私は少し意地悪な言い方をする。
だって、鋭児郎があの事件を忘れるワケないんだから。
「覚えてるぜ」
珍しく声が弱々しくなる。
『あの時、私が言ったことは？』
「......っ、おぼえ、て、る」
さっきよりも声が弱々しい。
そう、私はあの日の夕方に鋭児郎と話した。
『爆豪くんの事がいくら心配でも行っちゃダメだよ』
「行かねーって！みんなにあんなに言われたんだから、さ」
『その言葉信じるからね』
「おう！約束するぜ！」
でも鋭児郎は爆豪くんのところへ行ってしまった。私が鋭児郎が神野区へ行ったことを知ってるのは理由がある。
事件当日、私の親が仕事の都合で神野区に行っていた。テレビで事件のニュースを観てたら
「そういえば、
しれっと言う。
『え......？』
私は理解出来ずにいた。嘘でしょ。
行かないって約束したのに。鋭児郎になんかあったら嫌だから行って欲しくなかった。
と、そんなわけで怒ってる。その事を目の前に座る鋭児郎に伝える。
「約束破ってごめん。けど！俺は爆豪ンことが心配だったんだよ！！」
『っ！私だって鋭児郎や爆豪くんのこと心配だったんだから！！』
鋭児郎が声を張るもんだから釣られてしまう。
「Aに何がわかんだよ！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雛(プロフ) - 上鳴勇香さん» はじめまして(^ ^)そう言ってもらえると嬉しいです！これからも精進させていただきますね！ (2018年2月18日 17時) (
レス) id: b31a2b7c08 (このIDを非表示/違反報告)
上鳴勇香 - もうすごくキュンキュンして、やばいですもう上鳴がかわいくて最高です！応援しています！ (2018年2月9日 16時) (レス) id: df69819376 (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 麗愛さん» はじめまして(^^) 応援のお言葉を貰えて嬉しいです！これからも精進させていただきますね (2018年2月7日 0時) (レス) id: b31a2b7c08 (このIDを非表示/違反報告)
麗愛 - 上鳴君大好きです！更新がんばってくださいね！ (2017年12月25日 12時) (レス) id: 89d093ef08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雛 | 作成日時：2017年9月28日 11時
