嵐 ページ39
「アタシ、電気クンに告ったんだ〜」
『え？』
すれ違った瞬間、見たことない女の子が大きな声で自慢気に話してる。つい気になってその子のことを見てしまう。すると目が合った。
「やだ、何？電気クンの彼女気取りチャン」
嫌味っぽく嘲笑われる。否定しなきゃいけないのに声が出ない。きっと動揺しているんだ。
「Aはそんなんじゃないから」
「いきなりそういうこと言うって人としてどーなの？」
響香ちゃんと三菜ちゃんが言う。
「ちょっと、アタシはアンタらと話してないから。それにマジで告って〜ほぼOKもらったし？」
───っ
「あっ、電気クンにLINEしなきゃなんないからじゃあね〜♡」
その子は嵐のように去っていった。
「泣いていいんだよ」
お茶子ちゃんが心配そうに言ってくれる。
ごめんね、今は泣けないや。
「なんといいますか、嵐のような御方ですのね」
「もー！起こった！あの子は、嵐(仮)って呼ぼう！」
百ちゃんは唖然としている。透ちゃんはあの子に名称を付けている。
「Aは彼女気取りじゃないっつーの、つかアイツの方が彼女気取りじゃん」
「ああいうこと言うのってホント人としてどーなの！？」
「Aちゃんも気にしちゃダメよ」
響香ちゃんと三菜ちゃんと梅雨ちゃんも続けて言う。
みんなごめんね、ごめんね。
涙は頬を伝わなかったけど、悔しくて悲しくて心の中ではボロボロ泣いていた。
午後の授業はもちろん上の空だった。
帰る時、下駄箱に1通の手紙が入ってた。
なんか嫌な予感しかしない。
「どーしたんだ、A？」
隣にいる鋭児郎が尋ねる。言いたい。けど、これは私の問題なんだから鋭児郎にまで迷惑をかけられない。
『ラブレターだったりして！？』
なんておどけて言う。
一瞬、驚いた様な呆れた様な何とも言えない表情をする鋭児郎。
でも
「マジか！おめでたいな」
って冗談っぽく返してくれる。今の嘘ってバレバレなんだろう。鋭児郎はそれでも深追いしない。ごめんね、ありがとう。
もう、頼りっぱなしは嫌なんだ。
家に着いてから手紙の中身を見る。
内容は至って簡単だった。
1週間後の放課後屋上に来い、というものだ。
ああ、これはあれか。タイマン勝負でもするのか？それともリンチされるかの2択なんだろう。
上鳴くんにこのことを知られませんように
と小さく祈りながら眠りにつく。
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雛(プロフ) - ねねさん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言われると嬉しい限りです( ；∀；) お話的には結構オチに近付いてきてるのでこれからも更新頑張らせていただきます！ (2017年9月18日 17時) (
レス) id: b31a2b7c08 (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 最高です！上鳴推しにはたまらんです♪更新楽しみにしています。 (2017年9月18日 3時) (レス) id: 5be3cb0310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛 | 作成日時：2017年8月17日 0時
