好きな人 ページ28
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『そう、そこにさっきの4を代入して、』
「あっ！じゃあ、答えは28か！」
『すごいです！正解です！』
ぱちぱちと小さく拍手をする。上鳴くんはうぇーいって喜んでいる。
可愛らしいなあ。
「ちょっと休ケイしね？」
幾つか問題を解き終えた上鳴くんが私に言う。まあ、ちょっとぐらいいいかな？
『じゃあ、15分くらい休憩しましょう』
「サンキュー！なあなあ、Aちゃんって初恋いつ？」
『おっ、ぅえ！？！？』
いきなり質問されて驚いた。にしても、奇声過ぎる！飲み物飲んでなくて良かった......。上鳴くんはワクワクした目でじ〜っと私のことを見る。
『はっ、はつ、初恋はまだですっ......多分』変な答え方になってしまった。恥ずかしい。
「え、じゃあ今、好きな人いねーの？」
『い......ます、よ？』
私はじっと上鳴くんの目を見つめる。が、虚しくも気付いて貰えるワケない。
「それが初恋じゃね？」
へにゃっと笑いながら上鳴くんは言う。
『あ、そう、なんですけど......ほら、初恋は叶わないってよく言うんですよ。だから......』
自分で言ってて悲しくなってきた。だって、上鳴くんへの想いは"初恋"なんだから。叶わないんだよ。
「Aちゃんみたいに良い人なら、絶対叶う、から」
ポソッと小さい声で呟く。
少し寂しそうな顔で。
──どうしてそんな寂しそうな
ほんの少しだけ期待しちゃうじゃないですか......。
心の中ていけないことを考えてしまう。
いつも通りの表情に戻った上鳴くんがぱっと顔を上げる。
「今の好きな人って、どういう人？」
キラキラした目で見つめてくれる。うっ、眩し過ぎる。
『えっと、近くて遠い人、です』
上鳴くんは物理的な距離は近いけど、心の距離は遠いんだ。だから私はそういう風に伝えた。でもなんか恥ずかしくて......。
それを聞いた上鳴くんは、ぽかんとしている。あれ？なんか変だったかな？
『あの「あっ！近くて遠い人ね！なるほどなるほど！つーか、そろそろ15分経つんじゃね！？」
どうかしましたか？って聞こうとしたら焦った上鳴くんの声により遮られた。これ以上無闇に質問しちゃダメな気がする。きっと上鳴くんを傷付けてしまう。
そして、私たちは勉強を再開した。
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雛(プロフ) - ねねさん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言われると嬉しい限りです( ；∀；) お話的には結構オチに近付いてきてるのでこれからも更新頑張らせていただきます！ (2017年9月18日 17時) (
レス) id: b31a2b7c08 (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 最高です！上鳴推しにはたまらんです♪更新楽しみにしています。 (2017年9月18日 3時) (レス) id: 5be3cb0310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛 | 作成日時：2017年8月17日 0時
