入試当日の朝 ページ3
『う、ん......』
鳴り響くアラームを止めて、目を覚ます。
はぁ……。いよいよ今日が入試か……。
今日倍率がとてつもなく高い雄英高校に受験しに行く訳ですが、なんでこうなったんだろ。
──小さい頃からずっと鋭児郎と一緒にいた。鋭児郎のお陰で小学校時代、そして今も誰にも虐められずにやってこられた。もの凄く感謝している。
中2になったばかりの時、その日もいつもと変わらず鋭児郎と2人並んで帰ってた。
『鋭児郎はどこに行くの？』
「ん、雄英」
『えっ！雄英！？』
「おう！つか、Aも一緒に行くんだろ？」
『.........んえ？』
や、待って。何を言っているんですか？私も一緒に雄英受けるの？？そりゃあ、鋭児郎は強いから全然余裕だろうけど、私はそこまで戦闘向きじゃない個性ですよ？？
「おめー、俺と一緒の行かねーのか？」
寂しそうな顔した鋭児郎が私の方を見る。やめて、そんな寂しそうな顔しないでよ。今まで鋭児郎に数え切れないほどお世話になった。だからそんな顔されたら、私はもう鋭児郎の頼みを断れない。
『あー、行く。私も雄英受けるよ？』
「ッシャー！よし、約束な！」
小指をすっと差し出された。その差し出された小指に私の小指を絡める。小さい頃からよくする指切りげんまんをして、別れた。
──そして今に至る。
鋭児郎ん家はお隣さんなので、一緒に雄英まで行く予定。
にしても、早く起きすぎたかな？まあ、いいっか。
身支度を全部済ませて、私は部屋のベランダから、鋭児郎の部屋のベランダへ移動する。
『よっ』
鋭児郎はベランダの鍵をいつも閉めてないから将来が不安になるが、窓を開ける。
『えーじろー、朝だよ〜』
一応カーテン越しに声をかける。姿は見えてないけど、寝てるのは分かる。鋭児郎は大切な日の前日に寝れなくて朝起きにくいタイプの人間っていうのを重々承知しているから、こうして起こしに行く。
『えーじろーさーん』
そろそろ起きて準備してもらわないといけないのに、起きる気配はゼロ。しびれを切らした私はカーテンを開けて、ベッドに近付く。
上半身裸でスヤスヤと寝ている鋭児郎を揺さぶるが起きそうにない。
『えーじろー？』
「ん、もーちょぃ......」
『っ！？』
グイっと腕を引っ張られてベッドに倒れ込む。そして鋭児郎に抱きしめられる形になった。
『ちょっ！』
気持ちよさげにしている。でも、時間は待ってくれない。そろそろ起こさなきゃ。
『んの、バカ！！！』
私は鋭児郎を思いっきり蹴り飛ばす。
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雛(プロフ) - ねねさん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言われると嬉しい限りです( ；∀；) お話的には結構オチに近付いてきてるのでこれからも更新頑張らせていただきます！ (2017年9月18日 17時) (
レス) id: b31a2b7c08 (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 最高です！上鳴推しにはたまらんです♪更新楽しみにしています。 (2017年9月18日 3時) (レス) id: 5be3cb0310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛 | 作成日時：2017年8月17日 0時
