気付いたら、独占欲。 (ページ14)

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13(スニョンside) ページ14

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hsside

俺たち３年の最後の軽音楽部のステージ発表。

いつもより気合を入れて、ステージに立つ。

ウジのドラムスティックでのカウントが入れば、俺の中のスイッチはオン。

演奏しつつも、ステージを見る生徒たちへの意識も忘れず、眺めていたら

"スニョン先輩"と書かれたボードが目に入った。

ふと隣からボードを指すペンライトが気になってそっちに目を向ければAが必死にアピールしていた。

…可愛い。

…え？俺今可愛いって思った？

…気を取り戻してボードの持ち主を見てみれば、それは俺を推しだと言ってくれたソラちゃんだった。

ボードは見ただけで、丁寧に気持ちを込めてくれたんだということが伝わってきて、純粋に嬉しくて表情管理なんか忘れて驚いた顔をしてしまったけど

なんとかお礼を伝えたくて、口パクで「ありがとう」と伝えた。

ソラちゃんは、一瞬にしてボードで顔を隠し、隣にいるAとキャッキャッと効果音がつきそうな雰囲気で話をしている。

そんな2人は友達みたいですごく可愛らしかった。

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1曲目が終わり、次の曲へバトンタッチ。

すぐに自分のベースストラップから、ワイヤレスを外し、Aに渡す。

「…先輩、あのボード後輩たちからのサプライズみたいです」

Aはワイヤレスをすぐに受け取り自分のベースのストラップに付けながらも、立ち去ろうとする俺にひそひそと伝えてくれた。

hs「…お、おう！」

好きなのか？と自問自答し始めてから、Aを変に意識しすぎてしまっているせいで

なんだか答えにもなってない、中途半端な返事をしてしまった。

ちょっと冷たく聞こえたか？と頭をフル回転させて「頑張れよ…！」とAの肩を軽く叩いてステージ裏へ戻った。

…はぁ、俺らしくないぞ。