39話 ページ40
紫耀「はよ殴れや!」
いつもふわふわしている紫耀からは
想像もできないほどの叫び声
WESTのメンバー達も動揺を隠せなかった
でもただ1人
Aだけは真っ直ぐな瞳で
その光景をずっと見つめていた
それはきっと最初から最後まで
仲間を信用しているからだろう
廉は拳を構えたが
すっとすぐに拳を下ろした
廉「やっぱり...俺にはできない...」
美勇人「は?」
廉「俺に、紫耀を殴ることなんてできない...!」
美勇人「チッ使えねーな、結局その程度かよ」
美勇人「美希、おいで」
美希「うん!」
森田が美希という女を呼ぶとその女は
森田の腕にしがみつく
それを見た廉は
廉「えっ...?」
戸惑いを隠せていなかった
廉「美希、どういうことや...?」
美勇人「は?美希のこと気安く呼んでんじゃねーよ」
美希「そうだよぉ!美希は美勇人のものなの!」
廉「嘘やろ...」
美希「嘘じゃないよww」
美希「あんたと付き合ったのなんて軽いノリだし
WEST潰すために利用しただけ」
美希「だってあんた、顔だけはいいじゃん?ww」
美希「簡単に騙される方が悪いってゆーかw」
え...?
じゃあ、今まで話してくれたことも
一緒にでかけたりした時間も
全部嘘だったってこと?
なんか、よく分からなくなって
俺はその場に崩れ落ちてしまった
紫耀「ふざけんな...」
美希「は?」
紫耀「ふざけんな!人の心弄んで
そんなに楽しいか!?」
紫耀「俺はお前らを一生許さない」
紫耀「そしてお前を倒す...!」
紫耀はボロボロの体で多少ふらつきながらも
森田を殴った
紫耀「おらぁぁぁっ!」
ドカッ
ボコッ
森田が倒れると
美希「美勇人っ!起きて!」
美希という女が森田に寄り添った
するとAが
『美希さん、守りたい人がいるっていいですよね』
美希「え...?」
『誰かを守りたい。そんな心を持ってるなら』
『きっとあなたは、本当は優しい人ですよ』
『まぁ、私が言うのもなんですけど』
『廉を振ったこと後悔させてやりますからね』
まるで悪魔のような笑みで言った
でも何故かAが言った言葉はとても暖かかった
『さっ!帰るぞー!』
『ほら、廉も!』
廉「お、おん...!」
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作者名:望岡 | 作成日時:2017年12月31日 22時