【プロセカ/神代類】貴方は学校、好きですか？/登校拒否者救済プロジェクト。 (ページ13)

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<同日> 幼馴染みの記憶。ページ13

お父さんとの話が終わり、食器を下げて、自室。

仕事に行くお父さんに何ヵ月ぶりかの見送りをしたところだった。

………あのあといつまでも引き下がらないお父さんを説得するのは大変だったな…。

そして。

貴「………さぁて。」

寮、行くのはいいけど………

部屋を見渡す。

……この部屋を片さないと。

ゴミを捨て、タンスを開く。

あ、懐かしい、これ。

好きだったアニメグッズ……じゃなかった、纏めないと。

……あ。

ふと櫛の下に置かれたオルゴールに目が行く。

開いた途端、音楽が流れ出す。

『～～～～♪ ～～～～♪』

綺麗な女の子の、声。

オルゴールの中は、半分が小物入れのようになっている。そこから写真を取り出しては、一枚ずつ確認する。

…元気かな。

私には、幼馴染みが二人いる。

……いた、の方が正しいのかな。

もう、今は連絡を取ってない、幼馴染み。

といっても、原因は私。"あのとき"、二人には何も言えなくて。でも、普通に話す余裕もなくて。段々、返事が返せなくて。

お父さんの転勤で引っ越した時に、このオルゴールは二人が作ってくれたものだった。

歌が上手い女の子が。その時人前で歌えなかったのに、私のために歌ってくれて。

機械いじりが好きな男の子が。それをオルゴールにしてくれて。…天才なのは知ってたけどまさか自作するとは思ってなかった。

貴「……………ごめんね。」

連絡を途切れさせてしまったことなのか、私なんかと幼馴染みにさせてしまったことか、自分でも分からない。

でも、ただひとつ確かなのは当たり前だけど、その言葉は届かない、ってこと。

貴「…そもそも、二人は私のこと覚えてないだろうし。」

もうすぐあれから2年。次の4月で二人は…高校2年と3年になる。半年以上連絡してない幼馴染みなんて覚えてても、存在くらいで名前や顔なんて覚えてないだろう。

……ってそんなこと考えてる場合じゃないって。掃除終わらないじゃん。