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託された刀 ページ9

背後から声をかけられ体が凍り付いてしまった。

恐る恐る振り返ると、神審者様とは違う知らない男の人。

こん「む、睦奥守吉行様・・・」

こんちゃんが男の人の名前を呼ぶ。
難しい名前だな・・・

睦「!?・・・子供?何故ここにいるんぜよか?」

驚きを隠せていない様子のむつのかみさん。

『みな・・・らい、です』

睦「見習いじゃと・・・!?」

こん「・・・そうです、手違いではございません」

睦「・・・・・・」

『あ、の』

睦「?」

『この子・・・』

持っていたみだれさんをむつのかみさんに渡す。

睦「乱、まさか」

こん「私達が入った時、神審者様に折られてしまい・・・」

睦「・・・じゃが、折られた形跡がないのはどういうことぜよか?」

『・・・なおした』

睦「お、おんしゃがか?」

コクンッと頷けば、みだれさんと私を交互に見る。

そして、一呼吸おいたむつのかみさんは私に問う。

睦「本当に直した・・・そう言い切れるか?」

『!!!』ブンブンッ

睦「フッ・・・首がもげるぜよ。確かに乱からおんしゃの霊力が感じる・・・」

微かに笑ったむつのかみさんはくしゃりと私の頭を撫でる。

こん「・・・ホッ」

睦「所でじゃが、おまんに頼みがあるんじゃ」

『?』

睦「乱を、仲間を預かってくれんか?主に見つかったらまた折られる」

『!!』

あの時のことが鮮明に蘇る。ゾッとして思わずむつのかみさんの服の袖を掴む。

睦「??どうしたんだ?」

こん「実は紫音様、乱様が折れたところを目撃して・・・」

睦「それで、か・・・」

むつのかみさんはもう一度私の頭を撫でる。さっきよりも優しく撫でられ安心感を感じる。


落ち着きを取り戻し、みだれさんを受けとる。

睦「わしはもう行くぜよ」

『もう、ですか?』

睦「すまんなぁ・・・もうちっといたいんだが、主に怒られるからな」

寂しそうな表情で私を撫で、すっと立ち上がる。

睦「また会えるかもしれん、それまで待っててくれんか?」

『・・・うん』ニコッ

私は笑って頷く。この人が少しでも安心できるように・・・

むつのかみさんはそれをじっと見つめたのち、あの大きな本丸へと戻って行った。

睦奥守side→←折れた刀剣男士



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作者名:シバノ | 作成日時:2021年9月28日 20時

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