74話 ページ29
逃げた
また逃げた
目の前のことから逃げてばかり
どうしていつもこうなんだろうなぁ…
家庭のことを聞かれた時
初めて…言おうか迷った
とても優しい声だったから
でも…
お父さんには悪者になって欲しくない
まだ楽しく平凡な学校生活を送りたい
その一心で私は教室まで移動した
特に理由はない
逃げたい気持ちで一杯一杯だったから
確か…明日は生徒会長のタイマンがあったなぁ…
会長……勝てるといいな
そうして鞄を持ち
出ていこうとしたその時
「ライバル、どうしたのだそんなに慌てて」
まだ残っていたサブノックに服を掴まれた
『なんでもないよ…ちょっと早く帰りたくて…えへへ…』
けして嘘じゃない
嘘は言っちゃいけない
必ず後悔する
それにしても
サブノックが離してくれない
一度離すように言ってみると
「…前に言ったはずだ、辛ければ相談に乗る、そんな辛そうな顔をしてよくなんでもないなんて言えたものだな」
そう言う彼の顔は何処か怒っていた
私はその顔を父と重ねてしまった
次第に恐怖に変わっていく
『…ごめんなさいっ』
「!?………己が怖いか…」
予想外の言葉に戸惑う
「…皆お前が「心配」なのだ、皆は強がるお前を宥めようとするであろう、しかし己は違う、腹が立つ、なぜお前が強がらねばならんのか、なぜお前が辛い思いをする必要があるのか、お前にまとわりついている不幸に腹が立つのだ」
つらつらと放たれる言葉はとても重い
私は知らない間にサブノックを怒らせていたんだ
でも……私なんかの不幸に腹が立つだなんて
………よくわからない
「前のお前は、何事にも無表情で口数も今より少なかった……故に辛さを感じさせなかった……が、今のお前は表情豊かでよく喋る、それ故より一層苦しさが伝わってくるのだ」
前の私………
パッとしない静かすぎる私は………皆に心配ばかり掛けてると思ってたのに……
今の私の方が……苦しさが伝わってた…の…?
そんな……だって…明るくなれば…皆は私は大丈夫だってわかってもらえると思ったのに…
ギュッ
………ギュ…?
「そんなお前を見るのが苦しいのだ」
『?』
聞き慣れない音と共に
体は生暖かい
同時に呼吸がしづらい
何なのかは分からなかった
でも……なんか…かなり…苦しい…
ああぁ……迷惑掛けてばっかだ…
もう……「心配」は………嫌だ
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由 - 終わっ・・・おお・・・終わったああああああ⁉︎ まあ違う作品でも頑張ってください❗️ (2022年2月5日 17時) (レス) @page41 id: ca60f6a2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - (カルエゴ視点)を入れる場所間違えてカルエゴ先生カルエゴえちえちな格好してるみたいになってしまった許してくれカルエゴ推しの皆さん (2020年7月6日 7時) (レス) id: 478e853934 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - こんちわー。元気してますか?体調崩しやすい時期なんで気お付けなくちゃですね。 (2020年6月18日 17時) (レス) id: 8cd34875f0 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - (´・ω・`)さん» 何ともお優しい… (2020年6月10日 13時) (レス) id: 478e853934 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 大丈夫ですけど、疲れますよね。でもその疲れから体調不良になってしまったりするので、あまり疲れてない暇なときとかに投稿してくれると。私はいつまでも待ってるんで。 (2020年6月9日 7時) (レス) id: 8cd34875f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミミ | 作成日時:2020年5月11日 7時