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人間、一度ふっきれるとそこからは早い。
「一回だけじゃ覚えらんないでしょ？」
「うん。前のジェシーくんがどうしても忘れられない」
「だあ、その言いかたやだ！」
ハグのおかわりをねだってくるジェシーくんを、こうしてうまくかわせるくらいには。
Aの意地悪、と口を尖らせる表情だけは子どもみたいで、なんというかミスマッチである。
「てかそれよりさ、ごはんにする？ お風呂にする？」
「ん、えっと……」
「ああ、それとも私――」
「うえっ？」
「え、なに」
「待って、……ええ？」
「ん？」
「……もっかい言って？」
「だからごはんかお風呂かって」
「その次！」
「へ……いや、それかもしかしてわた、」
「待って！」
「なんで？」
なぜか私の質問を両手で制してくるジェシーくん。
意味がわからずにじっと見つめ返したら。
「じゃあ、A……でいいの？」
「なにが？」
「ねーえ、んへ、照れ隠し？」
「……本当になにが？」
急に楽しそうになっちゃって。
噛み合わない会話から生まれた違和感が、なんとなく嫌な兆しへと変わりつつあった。
「Aが訊いてきたんじゃん」
ごはんにする？
お風呂にする？
……それとも私？ って。
そんなことを口にする彼に。
「あ、そういう……」
数秒遅れて、この状況を理解した。
さすがにそんなベッタベタなフレーズは言えないって。
「違う違う、ジェシーくん勘違いしてる」
「勘違い？」
「ごはんかお風呂か、�爐修譴箸盪笋墨⇒蹐靴討覆い世韻燃阿悩僂泙擦舛磴辰討拭��瓩辰匿屬海Δ箸靴燭痢�
「……は、」
「一旦ジムでシャワー浴びてるのは知ってるけど」
「はああ？ え、じゃあAは選べねえの？」
「そりゃあ」
「なぁんだよ！ 俺のドキドキ返して！」
途端にギャンギャン吠えてくる。
「怒んないでよ」
「や、怒ってはないけど……別に」
あーあ、耳ぺたんってなってる。
しっぽも垂れ下がってる。
うーん。
謎の罪悪感。
……ああ。もう。
「知ってた？ ハグするとストレス減るんだって」
「――へ、」
しかたないから、ひと息吐いて。
ジェシーくんへと飛び込んだ。
今度は真正面から。
大丈夫、これはシックスパックじゃない。
……ほら。あれだ。チョコモナカジャンボだ。
「HEHEっ……初耳」
「どう？ 減った？」
「んHE、かぁわい」
「……減ってそうだね」
「んふ、もー好き、A」
「なんか語彙力も減ってない？」
まあ……一件落着っぽいしいっか。
「じゃあさっきの答えは�爐瓦呂鵑砲垢覘瓩任いぁ�」
「オッケー！ そのあとAともっかいお風呂も！」
「……は？」
それ、実質�犹筬瓩犬磴覆ぁ�
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作者名：びびたん
| 作成日時：2022年5月30日 20時
