ページ ページ41
その時、六人で支えていた聖剣に、"もう一人の手"がそっと添えられた。
大きくて、温かく包み込んでくれるその手が、滑り落ちる聖剣をしっかりと受け止めてくれた。
その温もりで、仁人達の目からは、涙が溢れ出す。
瑞生「まったく…君ってやつは…」
柔太朗「おいしいところで…」
琉弥「そうこなくっちゃね…」
舜太「うぅう…良かった…」
太智「ったく…遅せえんだよ…!!」
六人の目の前で、ボロボロになった桃色のローブが静かに風に揺れていた。
「"ヒーロー"は遅れてくるもんだろ?」
仁人「ふふ…この馬鹿…!遅すぎだ!」
そして、仁人のその言葉で、彼はにっこりと仲間達に微笑みかけた。
勇斗「悪い悪い!さあ…!!積もる話は後回し!!気合い入れろよ?!皆でいこうぜ!!!」
仁人「ああ!!もう、何も怖いものなんてない!!ゆくぞ!!皆で!!一緒に!!!」
『チェストオオオオオオオ!!!!!!!』
世界中の人々の煌きを背負った七人の勇者の叫びが、思いが、煌きが、暗黒の波動を吹き飛ばし、プライドの体を突き抜けていく。
プライド「何なんだこの力は…?!これが…勇者の力…?!これが…人間の価値…これが…慈愛の心…」
聖剣から放たれる煌きが、黒い雷を薙ぎ払い、そのすべてを包み込む。
そして、その煌きはプライドの体と、空に立ち込める暗雲を真っ二つに切り裂いた。
プライド「な、なんだと…。この…俺が…こんな…人間なんぞに…」
心…願い…夢…希望…勇気…愛…
あぁ…俺は…こんなものに負けるのか…
こんな…不確かな…ちっぽけなものに…
だが覚えておけ勇者ども…
七つの大罪が消えても…人間の罪は…永遠に消えることはないということを…
七色の煌きに包まれ、プライドの体は黒い煙となって、世界を包んでいた暗雲と共に消えていった―
―
―
―
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:milkssss | 作成日時:2019年12月14日 18時