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仁人母「…仁人の声が聞こえる…」
仁人父「…あぁ…。やっぱり、そうだよな…"言ってた通り"だ!」
仁人の生まれ育った村で、両親が避難先の避難壕の中でつぶやいた。
「舜ちゃんの声が聞こえる…」
「太智の声が聞こえる…」
「柔太朗王子の声が聞こえる…」
「琉弥さんの声が聞こえる…」
「瑞生様の声が聞こえる…」
向日葵「皆ほら!!"本当に"、勇者の兄ちゃんたちの声が聞こえるよ!!」
側近「勇者の方々の声が聞こえますわ…!」
牛乳王国国王「勇者達の声、聞こえておるぞ…!」
「勇者の、必死に戦っている姿が、見える!皆、この世界のために戦ってくれているんだ!!」
人々は世界各地で祈りをささげた。
この世界の為に傷だらけで戦う、勇者達に願いを込めて。
『負けるな勇者!!頑張れ!!!』
仁人母「お願い仁人…勝って!!!」
仁人「!!」
暗雲立ち込める空から、まるで雪のように光の粒が降り注いでくる。
人々の声援が、勇気が、希望が、夢が、愛が、煌きとなって勇者たちに降り注いでいく。
仁人「こ、これは…」
瑞生「とっても…温かい…」
太智「皆が…応援してくれてるんだよ…」
舜太「すごい…俺たちの力が…溢れてくる…」
琉弥「俺達にも…世界中の人の声が…」
柔太朗「こんなことされたら…負けられないな…」
プライド「何だこれは…?!
仁人「そうだ…!人々の…皆の煌きを浴びて…私たちは、一層輝く!!!」
一つ一つは小さな光でも、それが触れ合い、重なり合い、響き合い、大きな煌きとなっていく。
世界各地で祈りをささげる人々の煌きを吸い込んだ聖剣は更に輝きを増し、その刀身が長く伸び、その大きさも倍以上に膨れ上がり、巨大な聖剣へと姿を変え、ずっしりと重くなっていく。
六人で持ち上げて支えているのに、少しでも気を抜けば聖剣を落としてしまいそうなほどの重さがのしかかる。
しかし、その煌きはプライドの放つ暗黒の波動をどんどん押し返していく。
プライド「お、おのれ…!!!こんなことで…俺が負けるはずがない!!!人間め…!!!驕るな!!!」
プライドも負けじと黒い雷を引き寄せ、勇者達の煌きを押し返す。
仁人達も最後の一押し、歯を食いしばって聖剣を握りしめた。
限界などとうに超えている。
握りしめる腕からは血が吹き出し、聖剣の刃に亀裂が入った。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年12月14日 18時