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それは、ラストの顔が放った波動であった。
プライド「ラスト…お前まで…なぜ…?!」
…わからぬか
これが慈愛の心じゃ…
わらわたちは、人間に触れ、人間の心に触れた…
人間の…
"愛"に…
プライドの頭の中に、ラストの声が響き渡る。
意味が解らない。
俺達は七つの大罪だぞ?!
人間の心に、愛に触れただと?!
それがどうした?!
それが何だというのだ?!
それが本当に人間の強さだとでもいうのか?!
グリード「リュウビ!!オハヨウ!!アサダヨ!!オキテ!!」
琉弥「…シリ…マル…?」
その声に、琉弥は重い瞼を少し開けた。
目の前に、見覚えのあるシルエットが浮かび上がる。
まん丸のその体。
グリード「リュウビ…シリマルノ、イチバンノ、トモダチ…」
琉弥「お前…やっぱり…俺の事…覚えててくれたんだね…」
涙があふれる。
グリードの口から電線コードのような触手が伸びて、琉弥の傷だらけの手を包み込んだ。
とっても温かい、命の鼓動を感じる。
琉弥は激痛に耐えながら、傷だらけの体を起こし、地に伏す勇者たちに息を吹きかけた。
傷を塞ぐまでの力はもう残ってはいないが、目を覚まさせるぐらいならきっとできる。
琉弥の勇者の力が、血まみれの勇者達の体を包み込む。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年12月14日 18時