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仁人「だからと言って、私は神を恨んだりしない…。それが、勇者の使命ならば、私は神のお告げのままにそれを全うする…。それに、いずれにせよこの世界を、人々を救えることに変わりはない…」
その思いはきっと勇者になった瞬間から変わらなかった。
今なら、瑞生も、太智も、柔太朗も、舜太も、琉弥もそう思ってくれているはずだ。
神「仁人…。名前の通り、なんと慈悲深い心か…。やはりお主には…"特別な力"があるようじゃ…。勇者の力を越えた、特別な力がな…」
仁人「……」
特別な力…。
魔王と戦った時にも言われたな。
皆の煌きを引き出せる、私にしかない、特別な力だと…。
やがて、空から打ち付ける裁きの雷の勢いが増していく。
白く輝く神の結界も、すでにところどころ
神「わしには…もうこの裁きを止められる力は残ってはおらん…。この結界もいつまでもつかわからん…。無理を承知で頼む…。もしも、もう少しわしのわがままを聞いてくれるというのなら、どうか力を貸してほしい…」
そうして、神は仁人達に頭を下げた。
瑞生「無茶なわがままや駄々っ子はもう慣れっこさ」
舜太「このまま黙ってみてるほど、俺ももう子供ちゃうんやで」
琉弥「俺の力でこの世界を救えるんなら、やってやる」
太智「この力は守るためにあるんだ。今使わないでいつ使うんだよ」
柔太朗「どんな無理でも、それを通すのが俺達勇者だ」
仁人「勇者になった時から、私たちのやることは変わらない…」
この世界を、人間を、未来を守る。
それが勇者だ。
神「…感謝する…」
神はさらに深く頭を下げた。
しかし、その時だ。
瑞生と柔太朗が何かを感じ取り、辺りを見回す。
仁人「どうした…？！」
瑞生「何か、来る…」
柔太朗「とてつもない邪悪な気が…すぐそこまで…！」
そして、神も木を支えにゆっくりと立ち上がった。
神「来よったか…」
神はそう言って空をにらみつけた。
神の視線の先、黒い稲妻が何本も駆け抜け、やがて巨大な一つの塊となり、神の作った結界の外に落雷した。
そして、その中からそれは現れた。
プライド「裁きの時だ…」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年12月14日 18時
