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仁人青年が生まれ育った小さな村。
そこで仁人の父が、自分の家の扉を
仁人父「ひやあ。こりゃ大ごとだな。こんな雷見たことない…」
仁人母「あの子…大丈夫かしら…」
家の中では、母が息子の部屋を心配そうに見つめていた。
空っぽのその部屋の隅には、息子が旅立ってからも世話を
きっと、無事に帰ってきてくれるよね…。
知らぬ間に涙が床に流れ落ちていた。
仁人母「あら…いけない…」
何度拭き取っても、次から次へと涙が床に零れ落ちる。
仁人母「おかしいなぁ…。涙が…止まってくれないの…。仁人…お願いだから…早く帰ってきてちょうだい…」
そして、氷の国にも、この雲は広がっている。
黒い雷が、氷でできた町を破壊していく。
粉々に砕ける氷の破片。
逃げ惑う人々。
再建途中の城も、城で亡くなった王と王妃、兵士たちの墓も、煙を上げて砕かれていく。
向日葵「皆、大丈夫?」
向日葵の住む村の子供たちは納屋の地下に集まり、身を寄せ合っていた。
向日葵「きっと大丈夫!皆を守ってあげるから!」
「向日葵…怖いよー…」
向日葵「泣かないでよ!大丈夫!大丈夫だから…」
しかし、外の轟音は鳴りやまない。
一体、どうなってしまうんだろう…。
皆不安で胸が押しつぶされそうだった。
助けて…勇者の兄ちゃん…
そして黒い雷は、舜太や太智、瑞生、琉弥の村、そして、デスティニーランドを破壊していき、西の都を押し潰し、黄泉の霊峰を炎で包む。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年12月14日 18時