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王宮内部、
大きな椅子に腰かけるこの国の王、その隣には側近が手帳片手に立っている。
側近「すでにあれから二十時間ほど経過しております。あの拷問で正気を保っていた人間はおりませんわ。正義を信じてきた
スカーフを巻いて顔のほとんどが隠れて見えない国王は、ゆっくりと頷く。
側近「それでは、あの勇者の様子を確認してまいりますわ」
そう言いながら側近は部屋の出口へ歩いていく。
しかしその時、部屋の床下から轟音が鳴り響いてきた。
側近「な、何の音ですの?!」
轟音は徐々に大きくなり、地響きと共に、大理石でできた床を突き破って巨大は氷柱が顔を出した。
側近「こ、これは何?!」
そして、氷柱が作り出した大きな穴から、青と白銀のローブに身を包んだ二人の人間が
柔太朗「さすが南の国の王宮。床が分厚くて貫通させるのにだいぶ時間がかかってしまったが、俺様の感が正しければここが玉座の間だ!」
太智「あーあー、こんな目立つ登場しちゃって…最高じゃんか!!!」
這い上がってきた二人は玉座の間の床に降り立つと、その鮮やかなローブを
側近「な、なぜあなた方がこんなところに?!あの地下からどうやって?!」
側近は、突如現れた勇者二人に目を丸くして驚いた。
あそこから出てこれるはずが…。
柔太朗「これはこれは、側近さん。数時間ぶりですね。それは簡単なことですよ。あの地下空間は俺の読み通りこの王宮全土に広がっていた。だからこの部屋の真下まで来られれば、全ての見張りや部屋をショートカットできるってことだ。あとは俺のこの勇者の能力でご覧の通りですよ、マドモアゼル」
太智「ヒュー、
側近「お、おのれ…侵入者だ!玉座の間に侵入者!!」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年11月18日 16時