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琉弥「待って…瑞生君…」
腕の中で、琉弥が薄っすらと目を開けている。
瑞生「りゅ、琉弥?!…う、うぅ…良かった…本当に良かった…。生きていてくれた…」
琉弥「あいつに攻撃されているときから…ずっと俺は自分の体の中で薬の能力を使ってた…。たとえ心臓が止まっても…人間はすぐには死なない…。その間に作っておいた薬が、俺の体を治療し続けてたんだ…。ごめんね…心配かけて…」
瑞生「いいよそんなこと…」
琉弥「それに…あいつの攻撃…。俺の心臓を貫く瞬間…わざと軌道が外れて、急所をうまく避けてくれたんだ…。だから、蘇生が間に合ったって言ってもいい…」
瑞生「そ、それって…」
グリード。
あいつは、本当は…。
琉弥「シリマル…やっぱりお前…」
プライド「グリードめ…何をやっている!!おのれ!!」
グリード「攻撃中止…撤退します」
すると、グリードはふわりと浮き上がると、プライドの方へと戻っていく。
プライド「どういうつもりだグリード!俺の命令を聞かないつもりか…」
グリード「分かりません…理解不能…。攻撃続行は不可能と判断し、撤退を
プライドは勇者たちを見下ろした。
足を引きずりながらも歯を食いしばりながら立ち上がっている瑞生がこちらをにらみつけている。
それに引き換え、プライドの体は左半分を失い、空中に浮かんでいるのもうまくバランスが取れないでいる。
グリード「今の状態では…あの勇者による封印成功率、100%…」
プライド「おのれ…人間め…。これでは…うまく体を動かせん…。体を…修正せねば…」
撤退を余儀なくされたプライドは怒りの表情を浮かべると、グリードと共に黒い煙となって消えていった。
舜太はまだ気を失い、琉弥も起き上がれずに倒れこんだまま。
足からいまだに血が噴き出し、傷だらけでボロボロになった瑞生も、その場で勢い良く崩れ落ちた。
くそ…二人にこんな大怪我を負わせてしまった…
僕達も…しばらくは動けそうにない…
仁人…君たちは…大丈夫なんだろうね…?
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年11月18日 16時