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瑞生「琉弥!!!」
血の海で横たわる琉弥の元へたどり着くと、瑞生はその体を抱き起した。
瑞生「琉弥!!おい!!しっかりしてくれ!!目を開けるんだ、琉弥!!」
白くなった顔を覗き込む。
しかし琉弥からの反応はない。
瑞生「琉弥…!!」
白くなった琉弥の頬にそっと手を添える。
なんて冷たいんだろう。
グリード「…苦しい」
その時、グリードが妙なことを言い出した。
グリード「この気持ち、理解不能…。辛い…?悲しい…?カナシイ…?」
瑞生(どうしたんだ…?グリードの様子がおかしい…)
グリード「何だこのキモチ…。分からナイ…。トッテモ、悲しい…」
瑞生「まさかお前…琉弥と過ごした時の事…」
グリード「琉ビ…?何だそれは…トモダチ…?分かラない…」
瑞生「例え体が新調されても、お前の中にあるデータってやつは、前と同じなんだろ?!本当にお前は覚えていないのかい?!琉弥の気持ちに、心に触れて、本当に何も感じなかったのかい?!」
グリード「心…リュウ弥…わからない…シラナい…!コノ気持ち、理解フ能…!!」
グリードの両目が赤く点滅する。
瑞生「お前はあの時…確かに心を持っていたはずだ!作り物なんかじゃない、一つの命として!!そんなことも"知らない"のかい?!強欲の大罪、グリード!!いや、お前はシリマルだった時の事、本当に何もかも忘れたって言うのかよ!!」
グリード「シリマル…?リュウビ…?イノチ…。何も、知らナイ…シラナイ…。ダカラ、シリタイ…もっト…シリタイ…」
瑞生「お前にはきっとまだ心が残ってる…!だから悲しいんだ!!だから苦しいんだ!!だから、"泣いてる"んだ…お前は…」
グリードの小さな目から、水滴が一つ、落ちていく。
雨で濡れていただけかもしれない。
でも、それは確かに泣いているように見えた。
心がこもった、涙を流しているように見えた。
グリード「…ココロ…ナミダ…リュウビ…トモダチ…」
グリードはその言葉を繰り返しつぶやいていた。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年11月18日 16時