M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part7

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第十章-② ページ1

大砲の音が響き渡る。
外はすでに燃え盛る炎に包まれ、空は黒い雲に覆われ、地面には人々の死体や瓦礫が散乱していた。
兵士たちは自分の国の勝利を信じ、剣を振るい、銃を撃ち、建物を壊し、人を殺していく。
その様子を、一人の淡い黄色いローブを羽織った青年が静かに見つめていた。

すると、一人の小さい子供が、そのローブの裾を引っ張ってきた。

向日葵「勇者の兄ちゃん、どうして、戦争を止めてくれなかったの…？」

その顔は血で赤く染まり、表情がわからないほど潰れていた―。

仁人「っ…！！」

気がつくと、そこは薄暗いどこかの部屋の様だった。
天井からは小さな電球が一つだけぶら下がって、左右に少しだけ揺れている。

夢…だったのか…

仁人は先ほどの夢を思い返した。
血で潰れたあの顔が脳裏から離れない。
あんなことにさせるものか。
絶対…。

仁人はそう思い、体を動かそうとした。
しかし、思うように動かない。
仁人は首を動かして自分の体を見てみた。

着ていた近衛兵の制服や持っていた荷物、そして聖剣も身に着けておらず、上は内衣一枚で、両手は天井から垂れ下がった一本の鎖により頭上でまとめて縛られ、両足も鎖で拘束されている。
槍で貫かれたときにできた右肩の傷口からは、血がしたたり落ちていた。

仁人「こ、ここは…」

「ようやくお目覚めですか？ここは、"素敵な場所"ですわ」
　