M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ39)

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スロース「ぜーんぜん、大したことなかったなー…。そろそろ死んだー…？」

勇斗の体は血まみれで、ところどころ裂けた皮膚から骨が見えるほど切り刻まれている。
そして、踏みつけていた勇斗の頭を蹴って、その顔を確認する。
目を瞑(つむ)って動かない勇斗の顔を見ると、スロースは不気味な微笑みを浮かべた。

スロース「ふふ…。なぁにが最強なんだか…。偉そうに言っときながら、結局僕に何もできなかったねー…。残りの勇者も大したことないし、後は余裕だねー…」

そう言って、勇斗に背を向けた。

勇斗「……お前は…あいつらに…勝てねえ…よ…」

すると、後ろからまだ小さな声がする。
スロースは苛ついた表情を浮かべると、再び勇斗の方に向き直った。
勇斗は目を瞑ったまま、口元に笑みを浮かべていた。

スロース「いい加減にしてほしいなー…！早く死ね！」

スロースは勇斗の体を仰向けに蹴り転がし、勇斗の腹に刀身を何度も何度も思い切り深く突き刺す。

スロース「死ね！死ね！！死ね！！！死ね！！！！」

刀身を引き抜く度に血が噴き出していたが、やがて噴き出す血もなくなり、耳障りの悪い肉を突き刺す音が何十回と森に響いていた。

スロース「はぁー…はぁー…これで…もう死んだよねー…？」

しばらくめった刺しにした後、勇斗の顔を覗き込むが、目を閉じたままで何の反応もない。
それを確認したスロースが刀身を引き抜こうとした瞬間、勇斗の手がその刀身を握りしめた。

スロース「っ？！…君、僕なんかより…よっぽど…本当に化け物なんだねー…。は、放してよー…！」

掴まれた刀身を引っ張るが、びくともしない。
意識があるのかないのか分からないが、勇斗は目を瞑ったまま、ただその刀身を握りしめている。

化け物だって構わない…

まだ…終わるわけにはいかない…

あいつらの為に…最後まで…諦めるわけにはいかない…！

　
スロース「ま、まさか…そんな…」

その時だった。
勇斗が握っている刀身が、更にどんどんと錆びついていく。

スロース「僕の刀が…！？こいつ…能力なんて使えなくしたはずなのに…！！」

刀身を握りしめた勇斗の手から血が滲み、その血が勇者の力となって、刀身を見る見るうちに酸化させて粉々に分解していく。
そしてその刀身は全てボロボロに崩れ去った。