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時は
勇斗は洞窟を後にすると、皆が食べれるだけの
と、いうのは口実で、ただ一人になりたかっただけかもしれない。
雨の音を聞きながら、勇斗は自分のすす汚れた手をじっと見つめていた。
こんな汚れた俺の手で、一体何ができるんだろう…
足元の崖の下には、水かさが増して勢いよく流れる川の音が響き渡っている。
「こんなところで、一人で何してるのかなー…?勇者君…」
勇斗「…!」
後ろで、聞き覚えのある声が聞こえる。
振り向いた先には、小さな子供の姿をした七つの大罪、スロースの姿が。
直接戦ったことはないが、こいつは瑞生の命を奪ったことのある実力者だ。
スロース「確か、君があの勇者の中で一番強いんだっけー…?」
勇斗「……」
スロース「そんなに黙りこくっちゃって、どうしたのー…?僕が怖いー…?」
勇斗「いや…残念だけど…お前の言う通り、俺は勇者の中でも最強の力を持ってる…。覚悟しろよ…」
スロース「ふぅうううん…。じゃあ、試してみてよー…その最強の力ってやつを…!!」
勇斗はスロースに向かってその能力を解放する。
空気を操り、酸素を奪い、酸化させていく。
が…。
スロース「どうしたのー…?何かしたー…?」
勇斗「……」
もちろん、そのすべてはスロースによって怠けさせられ、勇斗の力ですら何の意味もなさない。
スロース「残念だねー…最強の力ってやつ、見てみたかったなー…」
スロースはそう言って勇斗をあざ笑う。
しかし、勇斗の表情は何一つ変わらない。
ずっと、スロースの目を真っすぐに見ていた。
スロース「…。もう少しリアクションが欲しいんだけどなー…。まぁいいやー…。君と戦っても面白くないから、そろそろ死んでよねー…」
その言葉と共に、勇斗の胸元から見えない斬撃で血しぶきが上がる。
勇斗「…!」
スロース「びっくりしたー…?そんな驚くことでもないよー…」
スロースは自分の長い
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月28日 19時