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なんということだ。
ここまで来て、誰かに見つかってしまった。
仁人はゆっくりと両手を上にあげる。
そして、ゆっくりと声のする方を振り返った。
そこには、拳銃を構える一人の眼鏡をかけてひょろっと背の高い女性と、四人の近衛兵が槍を持ってこちらをにらんでいる。
「他の兵の目は誤魔化せても、私の目は誤魔化せませんわ」
そう言ってその女性は
柔太朗「あ、あなたは…」
「お久しぶりですわ、柔太朗様…。でもまさか本当に氷の国の王子であるあなたが勇者だったなんて…」
太智「だ、誰なんだよ…」
柔太朗「この国の王の側近だ…。何度か会ったことがある…」
側近「あら、覚えていてくださったんですの？嬉しいですわ…。それで、今日はどのようなご用件で？うふふ」
仁人「この国の国王様にお話があります…！どうか、国王様に合わせていただけないでしょうか…！？」
仁人は両手をあげたままで、側近にそう
しかし、側近は笑みを浮かべて顔を左右に振った。
側近「あなた方、自分の立場がお分かりになっているのかしら？この国に不法入国、挙句の果てにこの王宮へ不法侵入、その他
仁人「わかっています…！その処罰は覚悟の上です！でももう時間がない…！どうか、お願いです！話をさせてください！」
柔太朗「無礼は承知だが、氷の国の王子として、私からも正式にお願いする。国王との話し合いの場を
側近「いいえ。あなた方の望みは叶いません。なぜなら、あなた方を見つけ次第処刑せよという国王の命が下っております。兵を使ってこの国中捜索させましたが、まさかそちらからここへ来てくれるとは思いませんでしたわ」
ということは、あの町で近衛兵達が探していたのは自分達だったんだ。
側近「それではごきげんよう、勇者の皆さま」
仁人「待ってください！！」
しかし、聞く耳持たず側近は引き金を引く。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年10月28日 19時
