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「さっきからふらふらしてるが、具合でも悪いのか?」
仁人「え…!?あ、あぁ…いえ!だ、大丈夫…であります!」
仁人は口ごもりながら、そう答えた。
「そうか…。ならいいが、あまり、無理はするなよ…?」
少し不信感のある表情を浮かべていたが、その近衛兵はキレよく
一方で仁人達は
仁人(だがこれで、この軍隊が王宮へと私たちを連れて行ってくれる…)
そして数時間後、荒野の真ん中に大きな建物が見えてきた。
柔太朗「おい…見えてきたぞ…。あれがこの国の王宮だ…!」
仁人の後ろで、柔太朗がそうささやくのが聞こえる。
その言葉で仁人は心臓の鼓動が早くなっていくのを感じた。
果たしてうまくいくだろうか
戦争を、止めることなどできるのだろうか
不安が胸を締め付ける。
この世界を、人々を、救いたい…
無意識に、仁人は腕に巻き付けた七色の腕飾りを掴んで、強く握りしめていた。
―
一糸乱れぬ行進をつづけた近衛兵の行列は、ついに王宮の入り口にある巨大な門の前に辿り着いた。
「捜索ご苦労。明日朝には牛乳王国へ攻め込む。このまま少し休んで、出撃の準備に取り掛かってくれ」
「承知しました。では、例の捜索の方はいかがなされるのですか?」
「他の隊が引き継ぐ」
王宮の門の前で、近衛兵の隊長と門番らしき兵のやり取りが聞こえてきた。
少し実感の湧かなかった太智も、その会話で焦りが顔に出始める。
本当に、明日には戦争が始まってしまうんだ。
近衛兵達は次々と王宮の門をくぐり、中へと入って行く。
仁人達もそれに続いて王宮の門をくぐって行った。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月28日 19時