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南の国、某所。
切り立った岩の崖を抜けたところで、町のようなものが見えてきた。
仁人達は岩場の陰に隠れながら移動し、その町の方へ近づく。
柔太朗「さて、どうする?あの新聞記事のせいで顔が割れている以上、この国でもこのまま町に入って行っても、また非難を浴びて追い出されるかもしれないが…」
岩場の陰から、柔太朗が少し顔を出して町の様子を観察しながらそう言った。
野盗との戦いでの記事が新聞に出て以来、勇者は戦争の首謀者として人々から
ありもしない噂も広がり、完全に
果たしてこの国ではどうだろうか。
この国の住人は彼らのことをどう思っているのだろうか。
柔太朗「はぁ…。まるで指名手配犯の気分だ…」
太智「追い出されるぐらいで済めばいいけどな…」
太智も不安そうな表情で町の様子を覗き込む。
柔太朗「見てみろ。あそこで今日の朝刊が売ってる。あれを手に入れれば、最新のこの国の情勢がわかるかもな」
柔太朗の指差した先では、屋根の付いた出店で若い男が新聞を売っているのが見える。
仁人「よし…。二人はここで待っていてくれ。私が買って来よう。三人で行くより目立たなくて済む」
仁人は意を決したような表情でそう言った。
柔太朗「いや、ちょっと待て。もし気付かれて騒ぎになったらどうする?俺にいい考えがある」
太智「え?!だ、大丈夫か?」
さっきのこともあるからな…
またとんでもないこと言いださないかな…
柔太朗「任せろ。俺様を誰だと思ってる」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月28日 19時