M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ13)

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というのも、それは今朝のことだ。
勇斗捜索のために、崖から降りたところで、対岸の道を荷馬車が通った。
その荷馬車には数人の人と、沢山の荷物が積まれており、彼らはまるで怯えるような表情を浮かべていた。
その様子を勇者たちは隠れながら見ていた。
今、人に見つかるのはあまり好ましくない。
やがて荷馬車は橋を渡り、こちら側へやってきた。
荷馬車が通り過ぎるのを、木陰に隠れながらやり過ごす。
すると、荷馬車から何やら会話が聞こえてきた。

「南の国はもうおしまいだ…。悪魔に乗っ取られてしまったんだ…」

「国王様はもう戦争の事しか考えていない…。きっと今週には戦争が始まる…」

「でも、無事にこうやって亡命出来て良かった…。もうあの国で安全には暮せない…このまま牛乳王国も通り過ぎて、どこか遠くへ逃げるんだ…」

「ええ…」

彼らは口々にため息をつきながらそう話していた。

―

仁人「皆、聞いてくれ」

対岸を見つめながら、仁人は徐(おもむろ)にそう言った。
皆も手を止めて仁人の方を見る。

仁人「ここからは、二手に分かれて別々に行動しよう」
　