M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ12)

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舜太「こんなに探してもおらんなんて…まさかホンマに…。勇斗君の事…守るって…俺、約束したのに…」

舜太は砂利(じゃり)の上で膝をつき、肩を震わせて泣き始めた。

仁人「大丈夫だ舜太…。勇斗は無事だ…。こんなに探していないってことは、すでに自力で川を上がって、どこか安全なとこで休んでいるかもしれない」

柔太朗「そうだ…。あいつの運動神経の良さと体の丈夫さは異常だからな。きっとそうだ…。きっとそうに違いない…」

舜太にそう言ったつもりだったが、まるで自分にもそう言い聞かすように言葉を紡(つむ)ぐ。

瑞生「くそ…黄泉の霊峰の時みたいに、この水晶玉にありったけの力を籠(こ)めないと何も答えてくれない…。肝心な時に僕の予知の能力も発揮してくれないね…」

あれから、水晶玉を何度覗き込んでも、何も見えない。
琉弥を見つけた時のように水晶玉にかなりの霊力がつぎ込まれなければ、真の力は発揮できない。

仁人「……」

このまま闇雲に探していても、きっと見つけられない。
仁人は少し、焦りの表情を浮かべていた。
さっきはあぁ言ったものの、根拠も手掛かりも何もない。

無事だよな…勇斗…

柔太朗「仁人、こんな時に言うのも何だが、お前に言っておかなきゃいけないことがある」

すると、そう言って柔太朗が仁人の隣へやってきた。

仁人「どうした…？」

柔太朗「この場所から川を渡った先、そこは"南の国"だ」

仁人「…！！」

柔太朗が指差した先。
川の対岸の森の先に、南の国が存在する。
すでに彼らは国境付近まで来ていたようだ。
そして、仁人の顔が更に険(けわ)しくなっていった。