M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ11)

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勇者たちは、急いで勇斗の捜索を始めた。
しかし洞窟から少し離れた場所で勇者達を待っていたのは、目も当てられないような惨状だった。

太智「な、何だよこれ…」

そこに勇斗の姿はなく、代わりに随分雨で流されていたが、崖の上の岩場にはまだ樽(たる)の中身をひっくり返したかのような大量の血だまりが広がり、その上には削(そ)ぎ落とされたような肉片がいくつか浮かんでいる。
周りの木々にも血や肉片が飛び散っており、地面には切り付けた跡が無数にあり、そこには勇斗の物と思われる桃色のローブの切れ端が数枚落ちていた。
それは、まるで雨で散った桜の花びらのようにも見えた。
そして、大量の血痕は崖の端まで続いており、その下は雨で水嵩(みずかさ)が増した川が勢いよく流れている。

仁人「ここから突き落とされたのか？！この勢いだと、川下の方まで流されている可能性が高い…！」

琉弥「この出血の量は尋常じゃない…！命に関わるなんてレベルじゃないよ…！一刻も早く見つけないと…！」

柔太朗「早く探しに行こう！！あいつがこんなことで死ぬはずない…！」

太智「当たり前だろ！！あいつは…あいつは強いんだ！！」

勇者たちは崖沿いに駆け出し、川下を目指した。
川下の方は、崖の下に降りられるようになっており、川沿いの道をくまなく捜索する。
雨で冷え切った体に鞭(むち)打って、川の中も探す。
しかし、勇斗の姿は一向に見つけられない。

舜太「勇斗くーん！！！」

琉弥「どこー？！！」

太智「勇斗ぉおおお！！！」

どんなに叫んでも、返事は聞こえない。
激しく流れる川の音と、空から打ち付ける雨の音が響くだけだった。

それから彼らは雨が降りしきる中、川沿いに一晩中勇斗を探したが、見つかったのは川の岩や木の枝に引っかかった勇斗のローブの切れ端が数枚だけ。
朝になっても、その現状は何一つ変わらなかった。