M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ30)

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柔太朗「確か、この広間を抜けて廊下を渡ったさらに奥の建物にあったはずだ。ただしいくつか部屋を経由するから、近衛兵ごときがこのまま突っ切ることはまず無理だ」

今回はまともな答えが返ってきたことで、仁人は少し胸をなでおろした。
しかし、場所がわかっても、柔太朗が言っていたようにただ単純にその部屋を目指せばいいというわけではない。
できれば誰にも見つからずにたどり着くのがベストだ。

太智「じゃあ、外から回るって言うのは？」

仁人「それは無理かもな…。さっきここに入る前に見えたが、この大きな門以外の扉は完全に封鎖されていた。おそらく戦争の準備として王宮を守るために警備が強くなっているんだろう…」

柔太朗「俺もあの道しか知らないが、王宮というのは少なくとも有事(ゆうじ)の際に備えていくつかの回り道や裏道があるはずだ。正面突破が無理でも、他の普段あまり使われていないよう道なんかがあればあるいは…」

柔太朗の言葉で、仁人は柱の陰から広間を覗いてみた。
広間からはいくつか道が分かれており、正面の道はおそらくそのまま玉座の間に通じているに違いない。
現在見張りが立っているのはその一か所のみ。

仁人「あそこの道ならば、ちょうどあの見張りの死角になる。あそこへ行ってみよう」

仁人が指差した先には、細くて少し薄暗い通路が見えた。
柔太朗と太智は小さくうなずくと、仁人の合図でゆっくりとそこへ向かった。

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