M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part6 (ページ18)

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第十章-① ページ18

背の低い雑草が斑(まだら)に不規則に生え、枯れた木が数本立っている。
地面には灰色の岩がごろごろ転がっており、動物や人の姿は見えない。
雨の吹き荒れるその荒れ地の真ん中に、岩でできた大きな宮殿が佇(たたず)んでいた。
その中の一室。
大きな扉の奥に、王族しか着ることの許されない衣装を纏(まと)う男性が大きな椅子に腰かけていた。
頭と首に長いスカーフが巻かれ、顔のほとんどが隠れて見えない。

「国王様、軍の準備はすでに整っておりますわ。しかし、連日の雨により武器の調整の方に遅れが出ておりますが、明日には全て完了する見込みです…」

その隣に、眼鏡をかけたひょろっとした背の高い女性が立っている。
手には分厚い手帳を持っており、ページをめくりながら椅子に腰かける人物に話しかけた。

「すべてが完了次第、国王様のご命令でいつでも牛乳王国へ戦(いくさ)を仕掛けることができます」

その女性は更にページをめくる。

「それから、国王様にもう一つ、お知らせが」

国王と呼ばれるその人物は、黙ってその話を聞いていた。

「国境の見張りから先ほど伝令があり、昨晩この国に、あの新聞に載っていた勇者なる者どもが侵入いたしました。いかがなされますか？」

国王はすっと顔をあげると、たった一言こう言った。

「処刑」

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