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町の中央では、舜太と琉弥が傷ついた人の介抱(かいほう)を行っていた。

琉弥「これで良し。しばらく安静にしててください」

町人「ありがとうございます…」

舜太「琉弥、大丈夫?さっきから力使いっぱなしで、疲れてるんちゃう?」

琉弥「大丈夫!さ、次に行こう!」

琉弥はそう言って笑っていたが、顔色は最初に比べて随分悪くなっていた。
勇者の力も立て続けに使えば、自身の体力をかなり奪われてしまう。
かつて太智がそうだったように、能力を使いすぎると動けなくなるほどだ。

琉弥「この辺はあらかた()て回ったから、次はあっちの方へ行ってみよう」

物陰から、二人は戦いの様子を見ながらそう言った。
すると、戦いの真っただ中に太智が駆けてくるのが見えた。

舜太「だ、太智君や!」

琉弥「あんなとこで何するつもりなの…?!」

太智は道の真ん中で深呼吸すると、空に向かって手を掲げた。
やがて大きな雷鳴が鳴り響き、太智の体から一本の稲妻が天に走る。
耳を(つんざ)く様なその音が、何度も何度も鳴り響く。

瑞生「だ、太智…!そうか…あれで皆の気を逸らそうとしてるのか…!」

物陰に隠れながら太智の後を追っていた瑞生は、その様子を見ながらそう言った。
太智の思惑通り、戦い合っていた野盗や町奉行は、何事かとその雷鳴の方を振り返る。
天高く登る青い稲光。
その様子は、町全体から見ることができた。
もちろん、町の各所に散っていった勇者の仲間たちもその光景を目にする。

仁人「あれは…太智の雷!?」

柔太朗「戦いが…止まった…!」

勇斗「太智…!」

人々は、武器を下ろし、その光景に目を奪われる。
地面から空へ走る青い稲光、それは、この場でなんとも幻想的で美しく見えた。
勇者たちは、その稲光の元へ自然に集まるように駆け出していた。


 

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設定タグ:M!LK , 勇者   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月7日 16時

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