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太智「…勇斗!!」
そう言うと、太智は地面に額をこすりつけて土下座した。
勇斗「だ、太智?!」
太智「ごめん!!今の話…全部聞いた…。俺、お前の気持ちなんてこれっぽっちもわかんなくて…お前が一番
太智の声は震えていた。
太智「本当にごめん!すみませんでした…」
瑞生「僕も、ごめん…。柄にもなく、空腹もあって…ちょっとイライラしてて…言い訳だよね…。前に仁人にはあんなに偉そうに言っときながら、自分が恥ずかしいよ…」
太智の後ろから、瑞生も頭を下げて出てきた。
瑞生「さっき柔太朗に、ものすごく怒られたよ。勇斗はそんな奴じゃない、お前たちは勇斗の気持ちを何も理解してないってね…。本当にそうだよね…」
勇斗「ちょ、ちょっと待ってくれよ!二人とも頭上げろよ!」
太智「いや、上げれないよ…。許さなくていい…許してくれなんて言わない…。もう、お前に顔向けなんてできないよ…」
勇斗「いや、だから許さないも何も、お前らからそんな風に謝られる理由がないし、そもそも別に俺は何にも怒ってないし、気にしてないって!だから、頭上げてくれよ。な?」
勇斗は、いつものように優しく微笑みながら太智の肩に手をかけた。
太智の肩が小刻みに震える。
太智「勇斗…。なんで…なんでお前はいつも…そんなに優しいんだ…うぅ…」
勇斗「な、泣くなよ…俺が悪いみたいじゃんか…。み、瑞生もそんな顔すんなよ…」
落ち込む二人の表情に、勇斗はどうすればいいのか分からず、おろおろするばかりだった。
勇斗「ど、どうすりゃいいんだよ…。仁人もなんか言ってくれよ!」
仁人「言っただろ。今回、私は一番ずるいポジションにいるんだ。どうすればいいかは私が決めることじゃない…。ただ、二人は勇斗の気持ちをちゃんと受け止めて謝ってる。勇斗もその気持ちをちゃんと受け止めてやりなさい」
勇斗「…そっか…。なら、一つだけ俺のお願い、聞いてくれるか?」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年10月7日 16時