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琉弥「シリマル!ずっと友達だよ!俺たち、ずっと友達だから…!ずっと…!!」
シリマル「リュウビト、シリマル、ズットトモダチ!ウレシイ!シリマル、シアワセ!ダカラ、ソレタベタイ!タベタイ!リュウビノ、エガオミタイ!ミタイ!」
シリマルは、ピョンピョンと跳ね、琉弥の腕から転がり落ちた。
琉弥は震える手で再び、紫の花をシリマルの方へ差し出した。
シリマル「アリガトウ、リュウビ!シリマル、リュウビノコト…ダイスキダヨ!」
そう言って、シリマルは花を一飲みにした。
すると、シリマルの目が激しく点滅を繰り返し、やがて、光を失っていった。
そして、二度と動くことはない。
琉弥「シリマル…お前…なんでだよ…。この花…俺と初めて会った時に、食べちゃダメだって…教えたじゃんか…」
トリカブト―
紫色の小さなその花の持つ猛毒は、七つの大罪であろうとひとたまりもない。
琉弥は、動かなくなったシリマルに優しく手を乗せ、涙でクシャクシャの顔を、無理矢理笑顔にして見せた。
友達との約束を守るために。
琉弥「…バカ野郎…」
琉弥は少しだけ期待していたのかもしれない。
これはタベラレナイヨって、コレハドクダヨって言ってくれることを。
しかし、それは友達の笑顔が見たいという自分の欲望に従い、自ら死を選んだのだ。
それが誰にとって善で、誰にとって悪なのかも知らないまま。
強欲の大罪、グリード。
それは、何でも知りたがる、何も知らない罪であった―。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時