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七色に煌く閃光が、九尾の狐めがけて駆け抜ける。
そして、その閃光は凍り付いた九尾の狐の体を真っ二つに切り裂いた。
九尾の狐「お、おのれ…おのれ！！おのれ勇者ぁああああ…！！！」
九尾の狐の断末魔が拝殿内に響き渡る。
切り裂かれた九尾の狐の体は、ばったりと地面に崩れ落ちると、ピクリとも動かなくなった。
舜太「や、やったんかな…」
琉弥「舜太、それフラグ…」
すると、真っ二つになった九尾の狐の体は、青白い炎に包まれる。
舜太「ひっ…、あ、あかんの？！」
やがて、その炎は小さくなり、跡には小さな灰が残り、風に飛ばされて消えていった。
柔太朗「もう、大丈夫だ…。奴の気配は感じない…」
拝殿内は静寂に包まれ、崩れ落ちた天井からは今しがた昇ってきた朝日が差し込み、七人の勇者を照らしていた。
琉弥「皆…！！大丈夫？！」
琉弥は拝殿内を駆けずり回り、仲間の治療をして回った。
幸い、仁人達の毒は完全に取り除くことができ、杭を打たれた傷も浅かったため、大事には至らなかった。
仁人「助かったよ…。ありがとう琉弥」
琉弥「いえいえ！」
仁人「いや、琉弥だけじゃない。柔太朗も、舜太も。本当にありがとう。君たちがいなかったら、私たちは今頃どうなっていたことか…」
柔太朗「まぁ、おいしいところは全部仁人達に持っていかれたが…」
太智「だっしょー？！俺かっこよかったっしょ？！俺の
瑞生「止めは仁人だろ…。君は、そんなことばっかり言ってて恥ずかしくないのかい？」
太智「じぇーんじぇん！」
舜太「あはは！太智君かっこよかったで！惚れちゃうかもー！」
太智「ほらねー！」
瑞生「はぁ…」
瑞生は、やれやれと首を横に振っていた。
柔太朗「しかし、伝説の勇者はどれだけ強かったんだ…。一人で魔王やこんなやつと互角に戦えるなんて…。俺一人では戦いにすらならなかったというのに…」
一人では決して勝つことはできなかった。
それが、少しもどかしい。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月23日 19時
