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九尾の狐「
すると、九尾の狐の尻尾が更に枝別れし、五本に増えていく。
増えた尻尾は、まるで自分で意思を持っている蛇のように蛇行を繰り返すと、勢いよく伸びて舜太の体を払い飛ばした。
舜太「ぐふっ？！」
長く伸びた尻尾に吹き飛ばされると、床で倒れていた柔太朗の上に落下した。
そして、九尾の狐の尻尾は舜太と柔太朗の体をまとめて突き飛ばした。
九尾の狐「こんなものか、汝らの勇者の力は！！かつての"深緑の勇者"とは大違いだな！くかかかかか！！！」
狐の高笑いが響き渡る。
琉弥「二人とも！！」
息も絶え絶えになっている舜太と柔太朗の元へ駆け寄る琉弥。
柔太朗「お前は、仁人達のことを診てろって言っただろ…！ここは、俺達で…なんとかするから…！」
琉弥「無茶だよ！！もうこんなにボロボロじゃん！！」
舜太「だ、大丈夫…やって…ホンマに…。なっ」
舜太はニコっと笑ってみせたが、口や頭から血が流れて、フラフラとしている。
琉弥「お、俺だけ守られてばかりなんてやだ！」
琉弥は勢いよく立ち上がると、自分の唇に手を当てた。
琉弥「食らえ…俺の色香…！！」
そしてその手を、投げキッスのように前に突き出す。
琉弥の唇から放たれた猛毒が、九尾の狐を包み込んだ。
九尾の狐「毒か…？しかし、何も起こらんようだが？」
九尾の狐の大きな口の両側が更に吊り上がる。
琉弥「くそ…！！」
琉弥の毒はどれだけ量があっても、高熱の前では消毒されて無力化してしまう。
狐火の熱で、その毒はなんの効果もなくなってしまった。
そして、まるで巨大な鞭のような尻尾が琉弥に襲い掛かり、その体はいとも簡単に吹き飛ばされた。
九尾の狐「そろそろ遊びは終わりだ…。そこで寝ている奴らから殺してやろう」
そう言うと九尾の狐は、毒に侵され床に倒れこみ気を失っている仁人、瑞生、勇斗、太智の方へ向きを変え、尻尾を勢いよく振り下ろした。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月23日 19時
