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すると、さっきまで二本だった狐の尻尾が割れ、四本に増えていく。
「しかし、まだ完全に力を取り戻すには時間がかかる…。この尻尾が九つに分かれた時、この世界は、
柔太朗「そ、そんなことはさせない…！その前に俺たちがお前を倒すからな…！」
柔太朗は手の震えを押さえると、化け狐をにらみ返す。
九尾の狐「ぬかしよる。勇者の力を持つ者どもよ…。食い殺してくれる！！」
九尾の狐は大きな口を開くと、柔太朗の方へ飛び掛かる。
柔太朗「舜太！！琉弥と仁人達を守れ！！琉弥は手を止めてないで仁人達の治療を急げ！！」
舜太「っ！」
琉弥「…！」
柔太朗のその声に、恐怖で動けなくなっていた舜太と琉弥は、少しだけ震えが収まった。
柔太朗「凍り付け！！」
九尾の狐の足元を凍り付かせる柔太朗。
しかし、その氷は一瞬で溶けて蒸発した。
柔太朗「何？！」
九尾の狐「余の"狐火"の前ではその程度の冷気など効かぬ」
大きな口から青白い炎が吐き出され、柔太朗は吹き飛ばされた。
柔太朗「ぐああああ！！」
舜太「柔君！！」
舜太は、火傷を負って倒れこむ柔太朗を守るように、両手を広げて九尾の狐の前に躍り出た。
舜太「これ以上好きにさせへん！！」
柔太朗「馬鹿…野郎…！早く、逃げろ…！」
舜太「嫌や！それに柔君が言ったんやん！琉弥と仁人君達を守れって！だから柔君のことも守るんさ！！」
舜太は体中から炎を噴き出し、大きな塊を作っていく。
舜太「目には目、歯には歯！なら炎には炎や！！行くで…！君のハートに！ボレーシュート！！」
炎はまるで大きな津波となって九尾の狐に襲い掛かる。
九尾の狐「こんなもの」
九尾の狐も、口から青い炎を吐き、舜太の炎を押し返していく。
舜太「ま、負けへん！！」
舜太も負けじと炎の勢いを増してゆく。
青と赤の炎がぶつかり合い、辺りは火の海に包まれる。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月23日 19時
