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目の前に広がる光景に、舜太は言葉を失って
しかし、何かにつまずいて尻もちをついてしまった。
「ぶぎゃ?!」
舜太が尻もちをついた先には、琉弥が寝ていたのだ。
舜太の尻に潰されて、琉弥は跳び起きた。
琉弥「しゅ、舜太!!痛いじゃん!」
舜太「りゅ、琉弥ー!!!」
舜太は何ともなさそうな琉弥の顔を見ると、嬉しくなって抱きついた。
琉弥「ちょ、ちょっと舜太!寝ぼけてるの?!」
舜太「琉弥は何ともないん?!毒は?!あのご飯食べたやん!」
琉弥「え?何?!ちょっと落ち着いてよ」
舜太は急いでさっきの外で聞こえた会話を、琉弥に話して聞かせた。
琉弥「そんなバカな…。夢でも見てたんじゃ?」
舜太「そんなわけないやん!仁人君たち見てよ!」
琉弥は仁人たちの様子をうかがう。
そこには、青ざめた顔で汗を流し、苦しむ四人の姿があった。
琉弥「ほ、本当だ…。だけど…俺も気が付かないような、無味無臭の毒だなんて…」
琉弥は悔しそうに拳を震わせていた。
琉弥「でも、そうか…。だから俺達は何の影響もないのか…」
舜太「ど、どういうこと?!」
琉弥「俺はそもそも毒なんか効かない。魔王レベルの毒なら話は別だけど…。それに舜太にも毒は効かないでしょ?炎の熱が毒を全部消毒してくれるんだから!」
舜太「そ、そっか…」
琉弥「もし本当に毒を盛られたんなら、早く皆を解毒しないと…!」
そう言って琉弥が布団から立ち上がった時だった。
自分たちの部屋の外で、沢山の足音が聞こえる。
舜太「き、来た…!」
「おい、やっぱり今この中で物音がしたぞ!」
「本当に毒は効いてるんだろうな?」
「当たり前だ。どの料理にもたらふく毒を入れておいた」
「まぁいい。とにかく早いとこ連れて行こう」
そして、部屋の襖が開かれた。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時