ページ ページ28
誰もが寝静まり、虫の声しか聞こえない真夜中。
旅館の一室に泊まる勇者たち一行。
彼らの泊まる部屋は、二部屋が襖で仕切られており、一方の部屋には仁人、瑞生、勇斗、太智。
もう一方の部屋には、舜太と琉弥、そして柔太朗が眠っていた。
舜太「ん〜、むにゃむにゃ…もう食えへんよ、太智君…」
舜太は寝言を言いながら、寝返りを打つと、部屋の端に避けていた机の脚に頭をぶつけた。
舜太「あ痛っ…んー？」
頭をさすりながら、舜太は寝ぼけ眼で体を起こすと、辺りを見回す。
月明かりでぼんやりと照らし出される部屋の中、隣で琉弥と柔太朗が寝息を立てていた。
横の部屋の襖は閉じられており、向こうでは仁人達が眠っている。
舜太「んー…。まだ夜やん…ふわぁ〜…」
大きなあくびをし、再び寝ようと布団に潜り込んだその時。
旅館の外から何やら話し声が聞こえてきた。
舜太「なんやろ…。うるさいなぁ…」
一度気になると、それが気になってなかなか寝付けない。
舜太は布団からそっと抜け出すと、琉弥や柔太朗をうまく避けて部屋の小窓の方へ這って行き、聞き耳を立てた。
「…のよう」
「今が××」
「すぐにでも×××した方が…」
どうやら声を出しているのは複数いるようで、途切れ途切れだが会話が聞こえてきた。
舜太(んー…なんて言ってるんやろう…)
舜太は小窓を少しだけ開けてみた。
今度は、はっきりと会話が耳に入る。
「うまく、毒を盛れたようだな」
「えぇ…、勇者どもは今頃私の出した料理の毒で動けなくなっているはず…」
舜太「え？！」
舜太は思わず声を漏らしてしまい、ハッとなって口を押えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月23日 19時
