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瑞生が集落の方へ戻ると、すでに仁人達が待っていた。
太智「遅いよー。一体、何やってたのかなー?」
瑞生「何だよニヤニヤして、気持ち悪いな…」
太智「べっつにー?」
仁人「ところで、何か手掛かりは?」
瑞生「ごめん、何も見つからなかったよ。皆は?」
他の勇者達も、首を横に振るばかり。
神隠しの原因について、何も分からないようだった。
瑞生「あれ?そう言えば柔太朗は?」
辺りを見回してみても、柔太朗の姿は見えない。
太智「そう言えば、見てないな。道に迷ってるのか?」
瑞生「そんなまさか。もうちょっと待ってみよう」
しかし、それからいくら待ってみても柔太朗は戻ってこない。
仁人「おかしい…。いくら何でも遅すぎる…」
舜太「もしかして、なんかあったんかな?!」
琉弥「まさか…神隠し…?!」
琉弥が放ったその言葉で、皆息をのんで静まり返った。
日は落ちて、真っ暗な闇が村を包み込もうとしている。
仁人「ま、まずい…。舜太、松明を作ってくれ!柔太朗を探しに行こう!」
手ごろな枝に炎をともし、仁人達は柔太朗を探して再び村の探索を始めた。
人が住む集落を外れ、人気のない道も探すが、柔太朗は見つからない。
勇斗「やっぱり、あの古墳…。行ってみないか?」
しばらく探索を進めたところで、勇斗はそう言った。
もう探していないのはあそこぐらいだ。
あそこに、神隠しの謎が…。
瑞生「も、もうちょっと他を探してみないか?」
太智「瑞生…。何言ってんだよ…!」
瑞生「うるさいな…。あの古墳には入れないってあの子が言ってただろ?!」
太智「そんなこと言ってる場合か?!柔太朗がいなくなったんだぞ?!神楽ちゃんと柔太朗どっちが大事なんだよ!」
瑞生「…。ご、ごめん。そうだよね…。僕どうかしてたよ…」
太智「瑞生…」
仁人「…。とにかく急ごう!」
六人は、柔太朗を探すべく村はずれの古墳へと向かった。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月23日 19時