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次の日―。
城の扉は固く閉ざされている。
しかし、窓の一つが開いており、掃除をする人影が見えた。
太智「あそこからなら入れるかな…」
太智はこそこそとその様子を伺いながら、周りをキョロキョロと見回していた。
太智「完全に不審者だよなー、俺…」
でも、なんだろうかこの気持ちは。
胸のあたりがちくちく痛み、息苦しい。
いつか、勇斗が言っていた、キュンキュンするってこういうことなのかな…。
太智「よし、行くぞ…!」
太智は手に何かを握りしめると、自分の体を雷に変化させて、開いた窓めがけて飛び込んだ。
太智「ふー!入れたー!っと、あの人どこかな…」
人気のない場所まで雷で移動した太智は、ラストを探して城内を探索しだした。
すると、他の扉とは違い、一際綺麗な装飾が施された大きな扉が見えてきた。
太智「こ、ここかな…」
太智は周りを伺うと、窓ガラスに自分を映し、髪型と服装を整えて、扉を少し開けた。
中ではラストが優雅にお茶をすすっているところだった。
太智「いた!!」
ラスト「何奴じゃ?!そ、そなたは昨日の?一体どこから…?!」
太智「す、すみません!!でも、どうしても…その、会いたくて、というか、なんというか…!」
ラスト(なんなんじゃ、こいつ…)
太智「あ、あの…これ!!」
そういうと、太智は一輪の青い花を差し出した。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時