M!LKest2 -勇者M!LKと七つの大罪- Part3 (ページ47)

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納屋の地下への扉が開き、中から一人の人影が上ってきた。
全身、血で赤黒く染まり、足を引きずりながらゆっくりと納屋の外へ歩いていく。
なんとか納屋の出口に辿り着くと、その扉をゆっくりと開いた。
外はすでに暗くなりかけており、涼しい風が通り抜けた。

「仁人」

その時、自分を呼ぶ声がして、顔をあげた。
そこには、六人の仲間がこちらを見て佇(たたず)んでいるのがぼんやりと見えた。

仁人「み、皆…」

仁人は、聖剣を杖のように使い、矢に射貫かれて、骨の砕けた右足を引きずって納屋から出てきた。

仁人「は、はは…。昨日は、恥ずかしい所を見られてしまったな…。色々迷惑をかけてしまって…すまない」

誰かが、何かを言いかける前に、仁人は自分から口を開いて話し出した。

仁人「だが、安心してくれ…！もう皆にそんな迷惑をかけることもない！」

努めて明るく、気さくに話して見せた。

仁人「楽勝…とまではいかなかったが、私一人でも七つの大罪を倒すことができたんだ！この分だと、残りの七つの大罪も私一人でなんとかなりそうだ！」

仁人は誰の目を見ることもなく続ける。

仁人「だから、皆はもう自分たちの国や村に、自分たちのいるべき場所に帰ってくれていい！」

仁人は腫れて片目の潰れた顔で何とか笑顔を作った。

仁人「あとは、私一人で戦うよ…。今まで、世話をかけた…。本当に…ありがとう！それじゃ…」

そう言って、仁人は六人に背を向けて歩き出した。

瑞生「待ちなよ」

瑞生の声が、仁人を引き留めた。