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納屋の地下はジメッとして、かび臭い。
エンビーは並べられた
ぼんやりと周りが照らされた。
中の広さは十畳ほどで、地面は土で覆われ、土でできた壁には蜘蛛の糸が無数に張り巡らされている。
物もほとんどおいておらず、あっても数個の木の箱ぐらいしか置いていないようだった。
エンビー「俺はこの日を待ってた…。弱いくせに、顔がよくって、仲間がいて、羨ましくて羨ましくて羨ましいお前をぐちゃぐちゃにできる日をな。羨ましすぎて愛おしささえ感じ始めてたところだ」
仁人「…」
エンビー「…なんか、お前、雰囲気変わったか?へっへ…まぁいい…いくぜ」
エンビーはあの時のように目にも留まらぬ速さで、仁人の顔めがけて拳を繰り出した。
その拳が仁人を捉える瞬間、仁人はその拳を掴み、エンビーの勢いを利用して、そのまま振り回して壁に吹き飛ばした。
エンビー「ぐはっ?!」
壁に激突するエンビー。
エンビー「やってくれるじゃねえか…。弱いくせに…。くそがああ!!」
エンビーは、再び勢いよく仁人に襲い掛かる。
仁人はそれも避けると、回し蹴りをエンビーの後頭部めがけて繰り出した。
エンビー「がはぁ!!」
エンビーはそのまま地面に倒れこんだ。
エンビー「てめえ…」
仁人「お前の動きは直線的で避けやすい…。一度戦っているから、尚更だ…。それに、あの日から、お前と戦う時のイメージは怠らなかった…」
エンビー「へっへ…。弱い奴は弱い奴なりに色々考えてるってことか…」
エンビーはよろよろと立ち上がると、仁人と距離を置くように壁際にもたれかかった。
エンビー「俺も、七つの大罪の中じゃ弱いほうでな…。いつも他のやつらから
そういうと、エンビーは壁の一か所を、ぐっと手で押し込んだ。
その時、仁人は自分の右足に鋭い痛みを感じて
仁人「うぐ…?!」
見ると、仁人の右足の太ももに、矢が突き刺さっている。
どうやら、この部屋のどこかに仕込みの矢を放つ仕掛けが施されているようだった。
エンビー「へっへ!俺が何の用意もなくお前をこんなとこに誘い出したとでも思ってんのか?!へっへっへ!!」
エンビーの高笑いが地下に響き渡る。
そして、気付いた時には、エンビーの蹴りが仁人の目の前に迫っていた。
胸のあたりを蹴り飛ばされ、仁人はそのまま吹き飛び地面に倒れこんだ。
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時