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太智「よっと!」
「うわっ?!なんだ?!君、いつの間にそこにいたんだい?!」
太智「え?ずっといたよ!!やだなー!気がつかなかった?!」
訝しげな表情を浮かべる観光客を後目に、太智はようやく城から現れた姫の顔を見ることができた。
太智「う、わぁ…」
言葉を失った太智少年の頬が赤く染まっていく。
ラスト「今日は、みなに
「俺やります!」
「私に任せてください!」
「僕が!!」
「私が!!」
群衆は一斉に手をあげる。
ラスト「おーっほっほっほ!それは結構、結構。ならばこうしよう。今からこの扉を十五分間開放する。先にこの城内にやってきた者先着十名をわらわの世話係に任命しよう」
そういうと、ラストは自分の着物を翻し城内に消えていった。
ざわつく、群衆。
しかし、次の瞬間には群衆は城の扉に向かって駆け出していた。
「どけ!俺が一番乗りだ!」
「私よ!そこどきなさいよ!!」
もはや暴動レベルで人々が争いながら扉に向かう。
ラスト「おーっほっほっほ。愚かな人間どもじゃ。そうは思わんか?可愛いグリード」
その様子を、城の窓からラストは眺めていた。
その手にはシリマルが抱えられている。
シリマル「ニンゲン、イッパイ!イッパイ!」
城の扉までは、地上から約15メートル。
忍者張りの投げ縄や、梯子をつなぎ合わせたものを使うもの、自力で壁をよじ登るもの。
群衆はそれぞれの方法で、城の扉を目指していた。
太智「痛ってえ!皆、押すなよ!」
「邪魔なのよ!」
「ガキはうちに帰って寝てろ!」
太智「むっか〜!俺だってあの城に入ってやる!」
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作者名:milkssss | 作成日時:2019年9月9日 17時