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仁人が目を覚ますと、そこは見慣れない場所だった。
人が一人寝転べるだけの大きさの小屋のようだ。
木でできたベッドから、ゆっくりと体を起こしてみる。
その体には一枚の毛布が掛けられていた。
仁人「ここは…」
辺りを見回すと、ベッドの縁にもたれかかった琉弥が、首をこくりこくりと動かして眠っていた。
仁人「琉弥…」
きっと自分の世話をしてくれていたのだろう。
手には、絞られた手拭が握られていた。
琉弥「ん…、ふわぁ〜」
すると、大きなあくびをして琉弥は伸びをした。
琉弥「あっ！仁人君！！気がついた？！」
仁人「…」
仁人はつい、琉弥から目をそらしてしまった。
琉弥「ちょっと脈見せてもらうね」
そう言って琉弥は手首に自分の指を当ててきた。
琉弥「うん！だいぶ落ち着いたみたい！もう、びっくりしちゃったよ…仁人君急に倒れるからさ…」
仁人「そっか…」
仁人は気のないから返事をした。
琉弥「きっと疲れてたんだよ。なんなら、もうちょっと寝ちゃう？俺も仁人君の隣で一緒に寝ちゃおっかなー！なんちゃって」
琉弥は冗談交じりで笑った。
しかし仁人は答えない。
どこを見てるのかもわからない虚ろな表情を浮かべている。
琉弥「あー…。お腹すいてない？俺もうペコペコ！一緒にご飯食べる？」
仁人はゆっくりと首を横に振った。
仁人「…ほかの皆は…？」
琉弥「あ、あぁ…。皆なら七つの大罪を探しに…。でも仁人君はダメ！ドクターストップです！今日は琉弥とシリマルと仁人君でゆっくりする日っ！ねっ、シリマル！」
仁人「…」
琉弥は自分の背中袋をごそごそと触り始めた。
琉弥「あ、あれ？！え？！何で？！」
すると急に琉弥が慌てた声を出し始めた。
琉弥「シ、シリマル？！シリマルがいない！俺が
仁人「…私のせいだな…」
仁人はぽつりとつぶやいた。
琉弥「えっ…、何言ってるの？！仁人君のせいなんかじゃ…」
仁人「私の面倒なんて診なかったら…シリマルから目を離すこともなかっただろう…」
琉弥「ち、違うよ！俺がちゃんと見てないのが悪いんだってば！」
仁人「ごめんな琉弥…。シリマルはちゃんと見つけてやるから…」
そういうと仁人は掛けてある自分のローブを羽織り、脇に置いてあった聖剣を手に取ると立ち上がった。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年9月9日 17時
